雇用統計直前予想

ヒロろんさん
ADP雇用統計(前月差) 
1月 +21.3万人 市場予想 +22.3万人 
前月 +25.3万人(上方修正)

(予想)非農業部門雇用者数 
1月 市場予想 +23.0万人 
マネックス証券 +20万人
 
ISM製造業景況感指数 
1月 53.5 市場予想 54.5 
前月 55.1(遡及修正)

ISM非製造業景況感指数 
1月 56.7 市場予想 56.4 前月 56.5

■非農業部門雇用者数は20万人増を予想
米雇用関連会社のオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)が4日に発表したADP雇用統計で「民間非農業部門雇用者数」は前月から21.3万人増と市場予想(22.3万人増)を下回り、昨年9月以来の低い伸びにとどまった。前月分は24.1万人増→25.3万人増に上方修正された。




市場予想を下回る低い伸びにとどまったADP雇用統計だが、20万人を超える伸びが続いており、米国の労働市場は引き続き堅調に推移していると見て良いだろう。ただ、そうした全体観を変えさせるほどの大きな変化ではないが、その他の労働関連指標にやや気になる変化があったのでご紹介する。

まず、4日に発表されたISM非製造業景況感指数の雇用についての調査である。ISM非製造業景況感指数の1月のヘッドラインは56.7と前月(56.5)からほぼ横ばいながらもわずかに改善した。その点は良いが、ヘッドラインを構成する「新規受注」、「入荷遅延」、「雇用」、「業況」の4項目のうち、「雇用」を除く3項目が前月から改善した一方で「雇用」は前月の55.7から51.6から4.1ポイントの大幅低下となった。51.6は昨年2月以来の低水準である。なお、ISM製造業指数の雇用についての調査も前月の56から54.1に悪化した。



また、労働市場の先行指標である新規失業保険申請件数にもやや変化が見られる。新規失業保険申請件数は週ごとのブレが大きいため、4週移動平均を算出すると、1月はやや申請件数の増加傾向が見られた。



ISM指数や新規失業保険申請件数などの悪化は労働市場の改善基調が変わったと推測されるような大きな変化ではないが、1月の雇用統計についてやや下ブレすることを警戒しておくべきだろう。1月の非農業部門雇用者数について市場予想よりやや少ない20万人程度を予想している。

■用語解説
雇用統計(米国)
米政府による雇用環境を調査した統計。発表される統計のなかでも、失業率(働く意欲がある人口に占める失業者の割合)と非農業部門雇用者数変化(農業従事者を除いた雇用者数の増減)が市場で注目されやすい。通常は月初の金曜日に前月分が公表される。

ISM景況感指数
ISM(Institute for Supply Management 供給管理協会)が発表する景気転換の先行指標である。供給管理協会が企業の担当者にアンケート調査を実施して作成しており、主要経済指標の中ではいち早く発表されることから景気の先行指標として重要視されている。数値が50を上回れば企業の景況感が好転、50を下回れば悪化していることを示す。製造業、非製造業それぞれ別に指標が発表される。
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