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ガルブレイス著『バブルの物語』
『バブルの物語~人々はなぜ「熱狂」を繰り返すのか~』 ジョン・K・ガルブレイス著
内容要約
・投機の陶酔的熱病(ユーフォリア=バブル)について
①要因
1)金融に関する記憶は極度に短い
・金融上の大失態があってもそれは素早く忘れられてしまう。その結果として同一またはほとんどの同様の状況が再現すると新しい世代からは金融および経済界における輝かしい革新的な発見であるとして大喝采を受ける。
・投機のエピソードに共通しているのは、世の中に何らかの新しいものが現れた、という考えがあることである。またそれに輪をかけた「てこ(レバレッジ=借金投機)」の再発見である。あらゆる投機のエピソードには、金融の手段または投資機会について一見新奇で大いに儲かりそうなことを発見して得意
になるという面が常にある。
2)金と知性とが一見、密接に結びついているかのように思われている
・投機の渦中にある人は富の増大を経験する。この致富は自分の洞察力ないし直観がすぐれている結果だと思いたがる。投機は投機の渦中にある人の知性を買収し、強い金銭欲にとりつかれさらに価格は上がるだろうと教える自分の判断を自分だけが持っている格別な知恵であると信じ込んでしまう。
②大失敗から救われるために
1)金融上いかがわしいことまたは大衆的な陶酔的熱病を、規制によって無くしてしまうのは、実際上できない。
2)唯一の矯正策は高度の懐疑主義
・あまりに楽観ムードがあれば、それはおそらく愚かさの表れだと決めてかかるほどの懐疑主義
→興奮したムードが市場に拡がったり、投資の見通しが楽観ムードに包まれるような時や、特別な先見の明に基づく独特の投資機会があるという主張がされるような時には、渦中に入らない。たぶん、そこには機会があるかもしれないが妄想と自己欺瞞があるだけという場合の方がむしろ多いことは歴史が十分に証明している。
・巨額な金の取得・利用・管理は知性とは無関係であると考えるほどの懐疑主義
・陶酔的熱病、控え目に言っても集団的狂気としか言いようのないものへ突っ走ることに共通する特徴を明瞭に認識する。このような認識があって初めて、投資家は警戒心を持ち、救われる。
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1991年に訳書の初版が出ています。書かれている内容がそっくりそのまま現在にもあてはまることに驚きを覚えました。繰り返し読む価値があると思います。バブルではないけれども2013年の前半の上昇相場とその後の暴落局面を思い出したり、サブプライム問題を思い出したり。金融史を学ぶことの大切さを教えてくれる一冊でした。
1件のコメントがあります
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窓際リーマンさん2015/2/6 18:05(参考になる投資のメモ書き、忘れないように記録、記録・・・)メリルリンチのChief Investment StrategistのRichard Bernsteinより・メリルリンチを退社いたします。顧客の皆様や同僚の方々に対しましては、ともに働く機会が得られましたことに心より感謝を申し上げたいと存じます。この会社で過ごした20年間がこれほど実り多かったのは皆様のおかげです。最後のレポートとして、在職中に学んだ最も重要と思われる投資指針を10 項目挙げてみたいと思います:1. インカムゲインはキャピタルゲインと同じくらい重要である。大半の投資家はインカムゲインの機会に注目していないだけに、前者は後者以上に重要かもしれない。2. 株式市場で使われる指標の大部分は検証されたことがなく、ほとんどは役に立たない。3. 大半の投資家の想定期間はあまりに短すぎる。デイトレーディングはほとんど運頼みであることを統計は示している。4. 強気相場の素になるのは、リスク回避や割安な資産であり、声援や買い急ぎではない。5. 分散効果は、ポートフォリオにおける資産クラスの数ではなく、資産クラス間の相関によって決まる。6. 貸借対照表はたいてい、損益計算書やキャッシュフロー計算書より重要である。7. GAAP ベースの会計報告にしっかり注目すべきで、「プロフォーマ」や「未監査」の財務諸表に関心を払うべきではない。8. 投資家は不足する資本の提供者であるべきだ。資本利益率は通常、資本の乏しい所で最も高い。9. 金融史をできるかぎり研究すべきである。10. レバレッジは富の幻想を抱かせる。貯蓄が富である
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