クリスマスのケーキ、バレンタインのチョコレート、土用の丑の日のうなぎのように季節の風物詩としてすっかり定着した感のある節分の「恵方巻き」。
節分に太巻きを食べるのは大阪を中心とした独自の習慣でしたが、全国区になったのは1998年にセブン-イレブンが「恵方巻き」の名称で発売したのがきっかけだそうです。
一部で行われていた習慣や人気の商品が全国区になったケースは多々ありますが、「恵方巻き」はその過程を目の当たりにした例です。
今はバレンタインのチョコレートのように、「恵方巻き」そのものを楽しむイベントのようになってきており、本来の姿にとらわれない様々なバリエーションの恵方巻きが登場しています。
フルーツやクリームでロールケーキ風に仕上げた「ワッフル恵方巻」のようなスイーツ系もかなり増えてきました。シューマイの具を中華まんのふっくらとした皮で巻いた「シウマイ恵方まん」は、もはや中華まんです。
容器に海苔を模した包装材を巻き、底に太巻きの断面の写真が貼られた「恵方巻サイダー」は飲む恵方巻きとして話題になっています。サイダーを飲む姿がまるで恵方巻きにかぶりついているよう見えるというアイデア商品です。
高価格帯でのアピールも年々過熱しています。ホテル日航東京ではウニやカニなど極上の食材をふんだんに使った「セレブ巻」を1万0800円で販売。銀座三越では金箔をほどこした恵方巻きを8640円で、東武百貨店池袋店では霜降り松阪牛ステーキと黒毛和牛ローストビーフを使用した恵方巻きを1万2960円で提供しています。