◎慰安婦問題、衆院解散で合意ならず=就任前から竹島上陸計画―前韓国大統領
【ソウル時事】韓国の李明博前大統領は2月2日出版予定の回顧録で、従軍慰安婦問題について、2012年11月の東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会合の際に日韓首脳会談を行い、最終合意することで両国が事前に一致していたと明かした。しかし、直前に当時の野田佳彦首相が衆院解散を表明したため、実現しなかった。
それによると、大統領側近だった李東官・言論文化協力大使と斎藤勁官房副長官が12年10月に接触。首相が元慰安婦に手紙を送って謝罪し、日本政府の予算から補償を行うのが最終合意の柱だった。「(合意まで)9合目を越えていた」と振り返った。
また、李氏は12年8月の島根県・竹島(韓国名・独島)上陸について、就任前から任期中に訪問する意向だったと説明。周囲には「独島が紛争地域化し、プラスにならない」との反対意見があったものの、「わが国の領土という事実を国際社会に印象付ける必要がある」と判断し、押し切ったという。
竹島訪問直後、天皇陛下が訪韓したいなら独立運動で亡くなった人々に謝罪すべきだと発言し、激しい反発を招いたことにも言及。ブラント旧西独首相が1970年にポーランドを訪問した際、ナチス犠牲者の碑の前でひざまずいて謝罪したことを挙げ、「同じ意味だった」と説明した。
時事通信 1月29日(木)16時24分配信