外国債券に対する投資判断の基本的な考え方



「社債投資まとめ!」では外国債券の販売状況についても情報発信をしていますが、「社債投資まとめ!」における外国債券に対する投資スタンスをご紹介します。(当然のことですが、投資スタンスに絶対の正解は存在しないので一つの意見としてご覧ください。)個別外国債券の投資魅力度=スプレッドが十分か?

個別外国債券の利回りは以下の三つの要素に分解されます。
外国債券の利回り=発行通貨国の短期国債利回り+発行通貨国の長短利回り差(※1)+スプレッド(金利上乗せ幅)(※2)
(※1)長短金利差はイールドカーブ(利回り曲線)と呼ばれるグラフで表現されます。
(※2)スプレッドは必ずしもプラスではなく、マイナスになる場合もあります。一般に、発行体の信用リスクが発行通貨国の信用リスクよりも低い場合には、スプレッドはマイナスになります。

外国債券における投資判断にあたっては、このスプレッドが、発行体の信用リスクに応じた十分な幅になっているかどうかが最も重要です。スプレッドが大きく信用リスクに対しても十分だと考えられるのであれば「好条件」ですし、スプレッドが小さすぎて信用リスクに見合わないのであれば「見送り」です。

(なお、これとは別に為替手数料や税金についても考慮が必要です。)

見た目の高金利に騙されてはいけない:高金利通貨の罠

外国債券の中でも、いわゆる高金利通貨で発行される債券は見た目の利回りが高くなっています。
たとえばオーストラリアドル、ニュージーランドドル、ブラジルレアル、トルコリラ、南アフリカランド、ロシアルーブル、メキシコペソ、インドネシアルピア、インドルピーなどで発行される外国債券は、高金利で発行されることが多いです。
しかし、こうした高金利通貨国はインフレ率が高く政策金利が高めであることから、ベンチマークとなる国債利回りがそもそも高めになっています。
そのため、見かけ上は高い利回りの外国債券でも、国債利回りとのスプレッドを見ると、発行体の信用リスクに対して十分とは言えない水準であることも多いです。
見た目の金利水準に惑わされず、客観的に国債利回りに対するスプレッドと信用リスクのバランスを検討して、購入を判断する必要があります。

発行通貨の投資魅力度=経済情勢・金融政策の見通しは?

以上は個別の外国債券に対する投資判断の基本的な考え方です。
一方で、そもそも外国債券が発行される通貨自体の投資魅力度がどうなのかという判断基準もあります。個別の外国債券のスプレッドは十分な水準だったとしても、発行通貨が(特に対円で)通貨高に向かうのか?通貨安に向かうのか?は大いに気になるところです。
「社債投資まとめ!」では、外国債券の利回りに影響を与える各国の政策金利や格付けの変化、さらには金融政策・経済情勢の動向で特筆すべきものを記事にしてご紹介しています。
しかし外国債券の年限は短くても1年、長ければ10年以上と比較的長いスパンになります。こうした長いスパンで為替がどう動くかは、様々な要因が絡み確度高く予想することは相当困難でしょう。現実的には、投資検討している外国債券の発行通貨国が置かれている現状を理解して、その外国債券を購入することの潜在的なリスクを認識した上で、自分なりに納得して投資することが重要だと思います。
なお長期的には、実質金利差や為替レートは均衡するように調整され、どの国の短期国債に対する投資も等価であるという考え方もあります。そうであれば、外国債券における投資リターンは結局のところ「より長期な債券を買うこと」と「発行体の信用リスクをとること」の二点に集約されます。

最後に:外国債券投資における注意点
外国債券への投資には他の金融商品と同様リスクが伴います。
まず外国債券には、国内の株式や債券に投資する場合と同様のリスクとして

価格変動リスク
外国債券の市場価格は、流通市場における需給関係や発行体の情報そして金利動向や経済情勢等を敏感に反映し、変動します。したがって、売却時の市場価格によっては売却益がでる場合も売却損がでる場合もあります。

元利払いリスク(信用リスク)
外国債券は、債券発行者が破産等の債務返済不能状態に陥った場合に、元本や利子の支払いが滞ったり、不能となることがあります。

流動性リスク
外国債券は流通市場における売却が可能とされていますが、市場に一方的な大量の買い注文や売り注文が殺到したり、売り買いの注文に対応する取引注文が不活発になる等の市場環境の変化により流動性(換金性)が低くなることも考えられます。極端な場合には、国内店頭取引による買い取りが行われなくなる可能性もあります。

などがあります。
さらに外国債券の場合には以下のようなリスクも考慮する必要があります。

為替リスク
外国債券の取引では、元本または利子の受取りは外貨で行われます。したがって、それぞれの受取り時点における為替レートの水準によって円貨換算したときの受取額が異なり、投資元本を割り込むことがあります。

カントリーリスク
外国債券は、さまざまな国の発行体によって発行されます。したがって、その国の政治・経済・社会情勢に大きな影響を受けます。


このように外国債券への投資にあたっては、自分の資産運用においてどれだけリスクを受け入れられるかをよく考えたうえで、自分の責任と判断で投資対象を決める必要があります。

外国債券に対する投資スタンスは投資家ごとに違うと思いますが、「社債投資まとめ!」では新しく発行される外国債券の情報をいち早くご紹介するとともに、外国債券の投資判断に役立つ情報を情報発信しています。
社債投資まとめ!さんのブログ一覧