アベノミクスの2年間では、ほとんどの投資家が資産を増やしています。ただ、長期に株を持っていたからといって、ウィナーになるとは限りません。相場の波を読み、金融資産の大部分を、マーケットニーズに合致する銘柄を、底値期に買って、長く保有することです。単なる長期投資では、ウィナーになれないのです。
だれがウィナーになるかは、「いい株をいい時期に買うこと」に尽きます。以下は、「波乗り投資法」から、長期投資でウィナーになる投資法です。
1.銘柄選択(いい株を選ぶ方法)
テーマ業種で、業績が上向いているという基準でふるいに掛け、
☆PER……10~20倍
☆PBR……2倍以下
☆配当利回り……2%以上
の基準で選びます。
その中から、発行済み株数とフェアバリューで7~10銘柄を選択します。どのくらいの単位数で買うかは、そのときの資金量によります。いったん購入したら、PERが20倍を越え、配当利回りが1%を切るまでは、売却しないで持ち続けます。
2.購入時期(いい時期に買う方法)
大きな流れを読み、底値期から上昇期の初めまでに少しずつ買い集めます。値上がりしても、銘柄選択基準を超えない限り売却しません。相場の下降期には株を抱えて冬眠に入ります。
情報はすべて開示された情報を使い、秘法秘術の類は一切使っていません。時間を利用すれば、誰にでもできるやり方です。
「波乗り投資法」では、相場を読むことがとても大切です。いくらいい銘柄を選んでも相場環境が悪いときは、高値掴みとなり投資効果があがりません。でも、相場を読むのは簡単です。
相場の底値期になると、銘柄選択の基準を満たすいい株がゴロゴロあります。逆に相場の天井期になると基準を満たす銘柄が少なくなります。株は底値期に買えば、いい株がたくさん買えます。
いい株とは、必ずしも優良大型株ではありません。むしろその業界の後発でも、他社にない技術と経営者に恵まれた会社のほうが、伸びる余地があります。会社の規模にはこだわりませんが、銘柄選択基準からは、新興市場銘柄や、過去に大相場を演じた株は選ばれないはずです。どちらかというと、株価の上昇よりも、安定的に配当を増やす企業を狙います。
いずれにしろ、会社の発展をシェアしているのですから、いったん持った以上、上昇期から天井期に掛けて、値動きのいい株に目移りするようなことはありません。逆にいい株がゴロゴロある底値期は、多数の中から成長性のある銘柄を見つけるのは容易です。
以上の投資法で、私はアベノミクスの2年間のウィナーになりました。この世界、実績がすべてです。そういう意味から、実績で理論の整合性が検証されたことになります。
それでは、今年はどうでしょうか。
相場はそろそろ天井圏に入ってきました。銘柄移動の激しい時期に入り、株価の変動につれ、上がる銘柄と下がる銘柄とが極端になりそうです。ゲームをするには、もってこいの投資環境とはいえますが。
とはいっても、市場には銘柄選択基準値を満たす株はほとんどなく、たまに発見できても隠れた欠陥のあるボロ株で、長期に保有しても重荷になるだけです。絶対に手を出さないようにしましょう。今は基本的に買いどきではありません。安値で買った持ち株を、基準値を超えるまで持ち続けることです。
これから株を始める方には、二つの選択肢があります。次の相場の上昇期まで待つか、投資をギャンブルと割り切って、短期の値幅取りを狙い株の経験を積むかです。私は現金を増やすことを勧めますが、若い世代なら資金の半分程度で、株に挑戦することもいいかもしれません。そのときの銘柄は、次の上昇期にテーマになりそうな業種から、銘柄選択基準値を考慮しながら、少しずつ購入してはいかがでしょうか。
「2014年を振り返って」というテーマの日記は、今日が最後です。長いこと辛抱して私の「日記」をご覧いただいた方にとっては、具体的な銘柄を期待されておられたかも知れません。今具体的に銘柄をあげても、その銘柄を買って同じ結果になるとは限りません。申し訳なく思っておりますが、これが現実です。
私は、「金融資産のほとんどを、ファンドに移し、波を読み、いい銘柄を安いときに買って、長期に保有することで、退職後の人生を配当金で豊かに暮らせるようになった」と思っています。
それを纏めて体系化して、多くの人に見てもらおうとしたのが「波乗り投資法」です。でも、単なる自慢話なのかもしれません。それでも結果を伴っている点で、少しは役に立つところがあればと、願っているのですが……。
ジムロジャースも、ジョージソロスも、結果が伴ったから有名になり、その投資法が世に広まったのでは。「大物と一緒にするなって!」そう思っています。