kabukabumanさんのブログ
円安が景気に与える影響(1ドル何円がbestか?)
*2014年度の貿易収支は、過去最大のおよそ-14兆円に上ると予想されています。
貿易収支の総額で最も影響が大きい品目は勿論原油や天然ガスといった鉱物性燃料ですが
それに続くマイナス要因は、過去日本の稼ぎ頭であった電気機器、輸送機器の順になっています。
その原因としては産業の空洞化や国際競争力の低下等が考えられ
こうした問題が改善されない限り
仮に、今後原油価格が安値圏で推移し、尚且つシェールガスの輸入が開始されたとしても
貿易収支を黒字にするのは至難の業だと言えそうです。
(財務省貿易統計10月分速報の概要)
http://www.customs.go.jp/toukei/shinbun/trade-st/gaiyo2014_10.pdf
では内需はどうかと云えば
円安による物価の上昇が消費の低迷に繋がっている可能性も考えられ
GDPのマイナス要因が消費税増税による結果だけでないとすれば
7~9月期以降の急激な円安は次期のGDPにも悪影響を及ぼしかねません。
因みに円相場と景気の相関関係を分析したレポートによると
貿易面(輸出入のバランス)だけを考えると1ドル102円辺りがbest。
株価の上昇が景気に対してプラスに働くことを考慮すれば1ドル112円辺りがbestであり
現在の円相場は、景気に対してマイナス効果になる可能性が高いことになります。
(参考レポート)
http://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/research/pdf/7647.pdf
つまり円相場が現状のまま、もしくはさらなる円安に傾いた場合
国内の景気は一段と悪化し、アベノミクスにとって強力な敵になるのではないでしょうか。