日本民族は、生粋の農耕民族である。
子孫の為に作付の工夫と開墾を繰り返し、豊かな生活を営むに至った。
その象徴とも言えるのがバブル景気であり、順風満帆の生活を送るはずであった。
しかし、バブル景気により日本は何故か沈んでしまった。
少し、当時の状況を想像してみよう。
絶頂の収穫期と豊作を迎えた日本人は、その好景気に沸き返ったのであるが、その影に欲望という悪魔が潜んでいることには気付かなかった。
収穫を終えた日本人達は、収穫した作物を売り払い充分な生活を手に入れたはずであったが、そこへ欲にまみれた仲介業者が現れ、僅かな報酬を上乗せして作物を独占してしまったのである。
そして、倍々に取引きを進め、いつの間にか作った農民達よりもお金持ちになっていたのである。
人間とは欲なものである。この状況を見ていた狩猟民族達までもが我先に作物に群がった。
そして、農民達は命の種と言われる種籾まで売ってお金を手に入れ、バブル景気を成したのである。
そして、地球上で永遠に繰り替えされるサイクル、不作がやってきたのである。
種籾を失った農民は、僅かな種籾を手に入れることにすら苦慮し、狩猟民族は手に入れた作物を作付けする術すら知らずに衰退していった。
そして、日本人は僅かに残った種籾をギリギリまで食べて生活し、これまでの生活に・・・否、これまで以下の質素な生活を送らざる得なくなってしまった。更にその噂を聞きつけた隣国までも既に輝きを失った日本から富を奪うために種籾を盗み取って行くようになり、失われた20年が始まったのである。
バブル期の経験により、日本人達からは作付け能力の大半が失われ、地道に積み重ねた成果を刈り取る時期を見誤り収穫はいつも青田刈り、荒れた農地には木が茂り先祖伝来の耕地は森と化した。
日本人から失われたもの、そしてかつての日本人に足りなかったものは、
収穫期を見る力であり、作物をより上手く利用する力
であることは言うまでもない。
そして、今回の金融緩和で如実にその状況を表しているのが、日本人が株を売り、海外が買っているという状況である。僅かな報酬の上乗せで日本人達は株を投げ売りしている。
歴史は繰り返すのか?
投売りした事を反省するのか?それとも修羅の相場に手を出した事を反省するのか?種籾までも売ってしまった事を反省するのか?
反省すべき事はいくらでもあるが、どうやら日本人は物作りに優秀なだけでなく、搾取される事にも優秀な奴隷民族のようである。
日本人として、悔しいことではあるが、それもそのはず、士農工商の江戸時代を280年も過ごし、根っから搾取される事に慣れきった農耕民族なのだ。