yuhsanさんのブログ
1-16 投資環境を作るのは政治の役目です
株価の見通しは、安倍内閣が誕生し、民主党政権が自民党を中心とする政権に移ったことで、大きく変わりました。総選挙が決まった2012年12月14日の8,664円から、13年12月末の16,291円まで88%も上昇したのです。
政治が株価を押し上げたことは間違いありません。安倍内閣は、経済対策として「三本の矢」を掲げ、公共事業、円高是正、構造改革と、民主党政権にはなかった政策を次々と打ち出しました。この政策は、「アベノミクス」という名で世界に評価され、外国人が15兆円も日本株を買ったのです。
今年に入って、外国人の買いが止まったことで、調整局面を迎えていますが、4月の消費税増税の影響も乗り切って企業業績は、リーマンショック以前の水準まで回復してきました。
「株価は政治で決まる」ことが実証されたのです。最近では株価の上昇が、経済を支える傾向さえ見て取れます。今日世界経済を引っ張っているアメリカが、100年以来の大不況をわずか4年間で克服したのも、中央銀行が大規模な金融緩和をし、株価の上昇を後押ししたためといわれています。
中国はどうでしょうか。株価が上がらないため経済力が低下し、国内問題での矛盾解決のため、軍事力で世界の富を獲得しようとしています。金融不安から問題視されたEUも、株価の上昇とともに経済復活の兆しが見えてきました。
いまやその国の株価が、経済力だけではなく国力を表わすようになっているのです。このことを一番よく知っているのが、外国人であり、ヘッジファンドなのです。
安倍内閣は、従来のどの内閣よりも株価を意識しています。株価維持のための政策は、見えないところで着々と打たれています。日銀や、年金基金、個人資産を預かる投資信託などは、株価の維持を図っています。
安倍首相が経済回復を掲げて政権交代を果たしたときから、著者は、日本の株価がフェアバリューの上限、20、000円になると予想しましたが、現在も変わりません。安倍内閣が続くかぎりこの目標は不変です。
日本では、20年も続いたデフレをようやく抜け出そうとしています。日本株の需給は外国人からようやく、個人を中心とする日本人に変わろうとしています。個人の金融資産は、1,500兆円といわれていますが、そのうち投資信託を含めた株式投資は8%、55%が現預金です。先進5カ国に比べても、現預金比率が極端に高いのが特長です。理由はデフレで、現預金が一番有利な資産保全手段だったからです。
インフレで、富裕層の現預金が、リスク資産に回ります。株式、外国債、商品市場とさまざまですが、すでに投資信託を買う動きはよく耳にします。個人の現預金の1%が株式に向かうだけで、外国人売りは軽く吸収できます。
個人以外でも、需給を支える組織、法人が目に付きます。いわれているだけで、
「年金基金GPIFの買い増し」
「日銀によるETFなどの金融資産買い上げ」
「事業法人が、株価対策のための増配と自社株買い」
「安倍内閣の経済政策を後押しするための金融法人による株価維持」
などなど……。
今年の株式需給は、安倍内閣が特別に対策を打たなくてもかなりいいのです。下がれば必ず手を打ってきます。そうしないと政策の実現ができないからです。最大のリスク要因は、内閣の支持率だと思っています。
著者は自民党ファンでもなく、ふだんは政治の話はしませんが、相場を見る上では「政治が経済を動かし、株価を上げる」という考え方に立っています。
gaspさん
こんばんは
外出していましたので、返事が送れて申し訳ありません。
おっしゃるとおり、今回の日銀のいっそうの緩和策に対して、政府からの政策が期待されています。
このままでは、消費増税に対応できません。
いずれは何か出てきます。
それまでは、株価はジリ高だとは思います。
ただ、今の政界を見る限り、自民党に変わる政党は、見当たりません。
それまでは、アベノミクスは安泰のような気がします。