11月の相場は、日銀の追加金融緩和とGPIF改革が同時に発表されて、サプライズの大幅高で始まりました。今回の日銀の追加金融緩和は、政策会合でもその後の発表会でも「おおもめ」だったそうです。
市場では政策変更を求めて、あれだけ騒いでいたのが、発表と同時に反対に回るのはどういうことでしょうか。おそらく、委員も記者も、会社での見通しの違いを指摘されるのが怖いので、反対にまわったとしか考えられません。
ただ、日本のマスコミの評価は、どちらかというと前向きで、従軍慰安婦報道でたたかれた「お灸」の効果が残っていたようです。
「株の値上がりがなぜ悪い!」
反論は、株を持っていない人、株を売っていた人たち、それに経済政策に参加できない経済学者…からです。バブルのとき、日銀の三重野総裁の資産家潰しを後押ししたマスコミは、今回は「株を持てない庶民」の声は無視したようです。バブルのあと、20年も続いたデフレ不況の責任は、だれが取ったのでしょうか。黒田さんは「つぐない」をしているようにも見えますが。
経済指標をみていれば、いつかはやらざるをえない追加の緩和です。サプライズと騒いでいる人は、見通しが外れただけです。誰だって明日のことは分からないのです。別に外れたからといって、大騒ぎするほどのことはありません。
キャッシュレスの「波乗り投資法」は、上げ相場に強いのです。稼げるときに思い切り稼いで冬眠に備えましょう。今度のサプライズでも別に動く必要はありません。レバレッジを利かせて買い乗せは勧めませんが、利が乗ったからといって売る必要はないのです。今売れば買い直そうとしても、安値で買い戻せる保証はありません。税金を払うだけ損です。
相場は、火曜日の大幅な上昇を受けて、少し落ち着いてきました。決算発表も明日がピークで、決算しだいの明暗がはっきりしてきました。事前の予想とおり、海外に展開してきた企業が業績を伸ばしています。
今回の発表のうち、GPIF改革は、今後の需給に長期間影響を与えます。日本市場は大型の増資やIPOで株数の増加がない限り、かなり長期にわたって株不足状態が続きます。消費増税は、経済にはよくはないでしょうが、企業業績は、円安が続く限り成長を維持できます。
今回の日銀と年金改革発表の目的からすると、これ以上の値上がりは必要ないでしょうが、逆に急落は絶対避けたいところです。消費税増税決定までは、株価維持政策が引き続き採られるでしょうから、18,000円に向けてじり高を予想します。
今年の年末の景気は、好調なボーナスと株高で、消費の盛り上がりが予想されます。昭和バブルのときは、六本木のディスコが空前の盛況でしたが、今年はどうでしょうか。かみさんに財布の紐を握られてしまっている団塊の世代では、六本木のディスコの復活は、期待できそうにありません。結局、「お姉さん」たちの、年末おしゃべり会が大賑わいとなりそうです。
株の上昇は、気分を高揚させ消費を盛り上げます。アメリカは、これで100年に一度の大不況を乗り切ったのです。
「株の値上がりがなぜ悪い!」