本日、日銀が唐突に追加金融緩和(通貨供給増大)を発表した。
先週まで実態とかけ離れた(根拠不明な)強気の物価見通し(≒景気見通し)を語り続けていたにも関わらず、唐突に物価見通しを下方修正し、追加緩和となった。
原油安、資源安によりインフレ率低下のリスクがあるからとのコメントで、マスコミがけん伝してる「円安で物価だけ上昇」との主張とはかけ離れている。
実際は資源安で物価上昇率は1%近辺(8%増税影響除外で)まで落ち込んでいるし、8%増税以降、国内景気指標が悪化しているので、ここまで追加緩和しなかったのが異常なのです。
今回、マスコミの援護射撃(円安で物価上昇とのデマ。円安促進になる金融緩和を抑えろという論説)もあったのに、日銀が追加緩和実施に追い込まれたのは、これ以上、景気を悪化させると、(日銀の親分たる)財務省の宿願である10%増税が延期に追い込まれる可能性が高くなったから。
だから、この追加緩和は10%増税実施のための一時的措置に過ぎない。
継続的に追加緩和するという文言は今回どこにも入ってない。
10%増税実施後は、唐突に追加緩和したように、唐突に追加緩和中止となる可能性大である。
そのための屁理屈は、これまで同様、マスコミに援護射撃でわめかせればどうとでもなる。
更なる増税推進のためには、景気低迷、税収低迷、財政悪化維持が望ましいから、日銀(≒財務省)が追加緩和中止に動く可能性は低くない。
財務官僚が自由にやりたい放題やるには高支持率の自民政権は目障りであり、支持率を下げるためにも、事後、追加緩和中止で景気低迷に持っていく可能性大である。
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自民政権が再来年の選挙でも大勝するには、選挙より十分前に、実質所得が上がる程度に景気を浮揚させねばいけない(株価だけ上げても金持ち優遇批判を受けるだけで選挙には逆効果)。
そうでなければ、選挙が近ずくにつれ激しくなるマスコミの政権攻撃を相殺出来ない。
そうするには、今の日銀総裁のインフレ目標達成ペースでは遅すぎる(当初は2年で2%と言っていたので2015年5月には2%の景気水準になるはずだったが、その後、何の説明もなく、この目標を一年近く後ずらしさせている)。
そうするには、10%増税実施は危険。
来年一杯おきる可能性が高い、国外からの景気悪化要因(欧州の金融緩和不足による新興国、世界経済への悪影響)を十分に打ち消すためにも10%増税延期、追加緩和継続が必要。
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安倍政権は、10%増税を延期し、実質所得が十分上がる景気水準まで金融緩和しない限り、増税実施は考えないと明言し、日銀の金融緩和の尻を叩き続けるべきでしょう。
景気が浮揚すれば選挙向けの利権バラマキの必要は薄れるが、それと無関係に政治家自身の稼ぎや官僚懐柔のためにバラマくつもりならば、それには景気浮揚の税収増を充てるべきでしょう。
この点からも金融緩和の尻を叩く必要がある。
10%増税を(巡り巡って)バラマキに充てるのは愚策で、それでは財政出動の景気浮揚効果は増税で相殺され、ただ、日銀の弱い金融緩和だけに依存することになる。
そうなれば財務官僚に主導権を握られ、自民政権支持率低下や更なる増税、政権転覆に追い込まれるだけである。 官報複合体に言いようにやられるだけ。