通常、サプライズのような決算でない限り、予想された業績は、株価に織り込まれていて、発表後に「材料出尽くし」として売られる事が多い事は、皆さんご存知の通り。
今回の上場企業の決算に期待していたのは、4月からの消費税上げを考慮して慎重に推定していた事業会社側の予想と、実際の決算を見直した数字の上方修正、即ち、
① 上期の業績はマイナスになると考えられ、また下期からは回復するが年間の各会社側の予想としては、前年並み程度がせいぜいと推計されていた
② 9月までの中間決算にて、来年3月の業績を上方修正する企業が大幅に増加することを想定
しており、情報修正ギャップが期待されていたことです。
円安効果もあり、自動車などの一部の会社では、2015年3月期の業績が大きく改善するにもかかわらず、全体としては、人手不足のためか、公共工事の消化が進んでいないですし、消費税対策としての財政出動の効果が期待ほどには出なかったということなのかもしれません。
これは一つの懸念材料ですね。安倍総理は、10%への消費税率上げは、慎重にならざるを得ないでしょう。
一方で、円安効果とNY市場の高値奪回により、日経平均は下げ幅の半値戻し(15450円)を達成し、また、ちょうど、株価は25日線、75日線とがっちゃんこの状態になりました。いったんは利益確定売りが出る水準ですね。
先の日記のように、半値戻しは全値戻しの途中経過、ということに従うならば、16300円に向けての戻り相場の都庁と言う事ですが、出来高が大して膨らんでいないのは、要注意。
結局のところ、日本の国内景気に大きくな自信が持てない中、つまり国内材料による相場ではなく、円安とNY市場の上げ下げに連動した相場になっているだけ、と言う感じです。
このような場合、業績好調かつ円安の恩恵を受ける会社(トヨタとか)は安心買いできますが、国内で利益の過半を稼ぐ会社(内需株)は、日本の国内景気が底を固め直したという自信が持てないと、上昇相場に乗り切れない可能性があり、ババを引かないようにしないといけないと思います。
出来高を伴うまで少し様子見するか、輸出で稼ぐ会社の株を、円安・NY高で買い、逆で利確するという回転商いをするか程度で、私としては、少し冷静に現状を注視しています。
日経平均が半値戻ししたからといって、出来高面からは直ぐに全値戻しに動くとは思えず、これからのNY市場も材料不足で、利益確定の売りから入る可能性も高いと思われるため、調子に乗って買い進まないように、自戒しつつ、買い場を再検討中です。