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【1】NY市況 **
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□ダウ工業株
16659.25(-334.97)▼1.97%
□ナスダック
4378.34(- 90.25)▼2.02%
□S&P500
1928.21(- 40.68)▼2.07%
□ダウ輸送株
8054.06(-199.28)▼2.41%
□半導体株(SOX)
602.97(- 17.00)▼2.74%
□NY原油先物(11月限)
85.77(- 1.54)
□NY 金先物(12月限)
1225.30(+19.30)
□バルチック海運指数
974 (-17)
□為替
(対ドル)107.82
(対ユーロ)136.83
□CME日経225先物
15305(-195)※大証比
9日のNY株式市場は、世界経済の先行き不安で大幅反落となりました。ダウの下げ幅は今年最大です。
この日はめぼしい買い材料が見当たらず前日の大幅高の反動で利益確定の売りが先行。朝方発表された週間の新規失業保険申請件数は予想外に減少し、雇用情勢の改善傾向が続いていることを示しましたが材料視されませんでした。
欧州では前日に国際通貨基金(IMF)がドイツとフランス、イタリアの成長率見通しを引き下げことに加え、この日は8月のドイツ貿易統計で輸出が大幅な落ち込みとなったことが明らかになり、ドイツのシンクタンクが同国の成長率見通しを下方修正したことなどで市場心理が悪化。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が欧州経済の低迷は構造的な問題と指摘し、欧州経済の回復の道のりの遠さが意識されたことも相場を圧迫しました。
リスク回避の売りが膨らみ主要指数は大幅反落。ダウの下げ幅は13年6月20日以来約1年3カ月ぶりの大きさで今年最大。前日の今年最大の上昇を帳消しにし、8月13日以来約2カ月ぶりの安値で取引を終了しました。ナスダックも約2カ月ぶりの安値水準です。
S&P業種別指数は全10業種が下落。特にエネルギー、素材、資本財、一般消費財、金融などの下落が顕著でした。
個別銘柄では、原油相場の下落を背景にエクソンモービルやシェブロンなどのエネルギー株が下落。景気動向に敏感なキャタピラーやユナイテッド・テクノジーズなどの工業株、JPモルガンやバンカメなどの金融株が安く、物流のフェデックスやUPSなども下落しています。CEOの退任を発表したアパレルのギャップと半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は経営の先行き不安から売られ急落しました。
前日夕に予想以上の好決算を発表した非鉄のアルコアはプラスで寄り付きましたが、しだいに売りが膨らみ大幅安で取引を終了。好決算の発表と同時に業績見通しを引き上げた飲料のペプシコもプラスからマイナスに転じています。アップルは、大株主でもある著名投資家のアイカーン氏が株主への利益還元を要請する書簡を公開したことやアナリストが投資判断を「買い」に引き上げたことなどが買い材料となり、小幅高で取引を終了しています。
この日はダウを構成する全30銘柄が下落。キャタピラーやエクソンモービル、シェブロン、ゴールドマン・サックス、ディズニー、ジョンソン&ジョンソンなどが下落率上位となっています。
NY原油先物はリスク回避の動きで売りが止まず3日続落。終値としては12年12月10日以来およそ1年10カ月ぶりの安値水準となっています。金先物は反発し、9月18日以来約3週間ぶりの高値。逃避マネーの受け皿となりやすいことや前日のFOMC議事録で早期利上げ懸念の後退が金の追い風となりました。
バルチック海運指数(BDI)は7営業日続落となり、8月14日以来約2カ月ぶりの低水準となっています。
CME日経225先物は、円建ては15305(大証比195円安)、ドル建てが15330(同170円安)で取引を終了しました。
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【2】主な注目材料とニュース **
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☆注目材料
昨晩のNYダウは大幅安、前日比334ドル安の1万6659ドルとなっています。
シカゴ日経平均先物は1万5305円と昨日の東京市場の日経平均株価1万5478円と比べて170円ほど安い水準となっています。
今朝6:28の円相場は、対ドルで1ドル=107円82銭前後(昨日16:00台は107円71銭)で推移しています。対ユーロは1ユーロ=136円83銭前後(同137円37銭)と円高に振れています。
NY原油は3日連続安、前日比1.54ドル安の1バレル=85.77ドルとなっています。終値ベースで12年12月10日以来、約1年10ヵ月ぶりの安値水準となっています。世界的な景気減速が原油需要の減退につながるとの見方から売りが出ています。
NY金価格は、前日比19.3ドル高の1トロイオンス=1225.3ドルとなっています。終値ベースで9月18日以来、約3週間ぶりの高値水準となっています。NY株安を受け、運用リスクを回避する目的から、逃避資金の受け皿となりやすい実物資産としての金に買いが入っています。8日公表の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受け、米国で早期利上げ観測が後退したことも支援材料となっています。
昨日の日経平均株価は3日連続安、前日比117円安の1万5478円となっています。終値ベースで1万5500円を下回るのは9月1日以来、約1ヵ月ぶりとなります。
9月12日に131%まで上昇した騰落レシオは、昨日時点で84%に低下しています。同指数の目安として、レシオ80%割れからそろそろ仕込みの準備に入る段階となります。前回は8月8日の78%をボトムに上昇に転じています。日経平均株価は同日終値から9月25日の高値(終値)まで値幅にして1600円近く上昇しています。
東証が昨日発表した10月第1週(9月29日~10月3日)の投資部門別売買動向を見ますと、外国人投資家は5週ぶりに売り越し、売越額は1947億円(前週は659億円の買い越し)となっています。
一方、個人投資家は2週連続で買い越し、買越額は3542億円(前週は340億円の買い越し)となっています。8月第1週(4508億円の買い越し)以来、2ヵ月ぶりの高水準です。年金基金の動向を反映する信託銀行は2週ぶりに買い越し、買越額は714億円(前週は222億円の売り越し)となっています。
ファーストリテイリングは昨日、15年8月期の連結営業利益が前期比38%増の1800億円となる見通しだと発表しています。海外ユニクロ事業が牽引し、営業最高益を更新する見込みです。今期の売上高は前期比16%増の1兆6000億円を見込みます。年間配当は20円増配して、年320円(前期実績は300円)を予定しています。
本日は、10月限オプションSQ(特別清算指数)の算出日となります。通常、日経平均株価の終値がSQ値を上回って引ければ、翌週以降の相場は堅調となり、下回ると軟調になるというアノマリーが見られます。従いまして、日経平均株価の終値がSQ値を上回るかどうか、来週以降の相場を見通す上からも注目となります。
その他、8:50に日銀金融政策決定会合議事要旨(9月3・4日開催分)、14:00に9月の消費動向調査の発表などが予定されています。
本日は、第1四半期(6~8月)決算発表でパソナG(2168)、コスモス薬品(3349)。中間期(3~8月)決算発表でコーナン(7516)、ガリバー(7599)、高島屋(8233)などが予定しています。
ウェザーニューズは昨日までに、来春のスギとヒノキの花粉飛散量の予想を発表しています。全国平均は平年(08~14年平均)の1割増となる見込みです。今春との比較では全国平均で5割増となり、東北から近畿、山陰までの広い範囲で2~3倍に上る地域もあると予想しています。
海外では、本日は台湾市場が休場(国慶日)。今晩は国際通貨基金(IMF)と世界銀行の年次総会(~12日、ワシントン)、G20財務相・中央銀行総裁会議(2日目・最終日、ワシントン)、9月の米財政収支の発表などが予定されています。
中国・北京市当局は昨日、「PM2.5」による大気汚染で警報を出しています。「オレンジ色」の汚染警報で、最悪から2番目に当たります。北京では今後3日間、「深刻」か「重度」な汚染が続く警報となっています。
◆主なニュース
・銀行振り込み1時間延長、午後4時 即時決済広げる
・郵便局に認可保育所 日本郵便、JPHDとまず埼玉
・丸紅、ミャンマーで最先端火力発電所 タイにも送電
・小売り、回復もたつき 6~8月、6割の企業が減益
・すかいらーく、1500店改装 シニアや女性客開拓
・鉄道部品各社、中国で攻勢 都市交通網の整備広がる
・都心のオフィス市況、空室率の低下で賃料が上昇基調
・9月工作機械受注額34.8%増 リーマン後最高に
・富士フのインフル薬、欧州4カ国のエボラ患者に投与
・米IT大手企業、人工知能で進化 新事業創出へ投資
◆経済指標等
・日銀決定会合議事要旨(9月3~4日開催分)
・第3次産業活動指数(8月、経産省)
・中古車登録台数(9月、自販連)
・消費動向調査(9月、内閣府)
・ビール系飲料出荷量(1~9月、大手5社)
・米輸出入物価指数(9月)
◆その他
・オプションSQ
・決算発表
コスモス薬品(3349:九州地盤のドラッグストア)
ホギメディカル(3593:滅菌用品、手術用品類)
島忠(8184:家具店とホームセンターを展開)
リンガーハット(8200:長崎ちゃんぽんととんかつ)
高島屋(8233:シンガポール店と東神開発の寄与大)
・エルニーニョ監視速報
・ノーベル平和賞発表
・国際通貨基金(IMF)と世界銀行の年次会合(ワシントン)
・G20財務相・中央銀行総裁会議(ワシントン)
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【3】心に残る名言 **
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「よし、朝だ!」というのも、
「あーあ朝か」というのも、
あなたの考え方次第だ。
ウエイン・W・ダイアー