kabukabumanさんのブログ
その⑮「決算書のポイント」
第15回「決算書のポイント」
(利益剰余金・株主資本比率・流動比率・キャッシュフロー)
決算書を読むことは株式投資の基本ですが、難しくて良く解からないという初心者の方へ
ここだけはチェックして置いた方が良いと思うポイントを幾つかご紹介します。
ご存知の様に決算書は大きく3つに分類されますが、各項目から解かることは概ね次の通りです。
①貸借対照表(B/S:お金の出入りの明細を知り財務状況を把握する)
→ 企業の基礎体力(スリムで丈夫が理想)
②損益計算書(P/L:儲かっているかどうかを知り成長性を把握する)
→ 企業の収益力(過去1年間の成績表)
③キャッシュフロー(C/F:現金の流れとその内容を把握する)
→ 現金の増減や投資対効果(無駄使い)などを分析
<貸借対照表>
貸借対照表がバランスシートと言われるのは資産の部と負債の部の合計額が同じ
つまりバランスがとれている為です。
企業の財政状態を示すものですが、資産の部は資金の運用、負債の部は資金の調達を表しています。
資産の部
流動資産:現金、預金、小切手、売掛金、受取手形、商品など決算日から1年以内に現金化出来るもの
固定資産:土地、建物、車両、機械など(有形固定資産)特許権、ソフトウェアなど(無形固定資産)
或いは投資有価証券や差し入れ保証金などで1年を超えて止まる可能性が高いもの
負債の部
流動負債:短期借入金、買掛金、支払小切手、支払手形、前受け金など1年以内に返済義務があるもの
固定負債:長期借入金、社債、退職給付引当金など返済に少なくとも1年以上を要するもの
資本 :株主が払い込んだ資本金・資本準備金と企業が蓄積した利益である利益余剰金に区分
貸借対照表のpoint
資産の部では流動資産>固定資産の方がすぐに現金化出来るため財務はより健全です。
流動資産÷流動負債で求められる比率を流動比率と言い
この比率が高いほど財務の安全性に優れます。
一般的に120%以上で良好、200%以上あれば極めて強固だ
逆に100%以下は資金繰りのために借り入れや増資が必要となる場合があるので要注意です。
但し流動資産が増えても、売掛金や受け取り手形などが増加している場合は
資金繰りの悪化も考えられるので注意が必要です。
資本の部では利益余剰金が多く、しかも年々増加傾向にある企業の財務体質は極めて良好です。
利益余剰金の多い企業は増配や自社株買い、あるいはM&Aなどの可能性が期待出来るため
投資ファンドの投資対象になりやすいという一面も有ります。
自己資本比率(自己資本÷総資産)も重要で
金融業を除くと概ね30%以上あれば普通、40%以上あれば倒産し難く
さらに50%以上が優良企業、70%以上になると超優良企業だと言われています。
因みに、自己資本=純資産-新株予約権-少数株主持分となります。
<損益計算書>
損益計算書は1年間の売り上げと利益を表すもので、5通りの利益を計算します。
売上総利益(粗利益)=売上高-売上原価(原材料費など)
営業利益=売上総利益-販売費及び一般管理費(人件費、広告費、家賃、輸送料、交際費など)
経常利益=営業利益-営業外損益(受取利息、支払利息、受取配当金、有価証券売却損、賃貸料など)
税引前利益=経常利益-特別損益(固定資産売却益、固定資産購入費用、災害損失など)
当期純利益=税引前利益-税金(法人性、住民税、事業税など)
損益計算書のpoint
上記いずれかの利益が赤字の場合は、人件費が高過ぎるなど事業活動の何処かに課題残ります。
また同じ黒字決算でも、その要因が粗利益の伸びによるものなのか
或いは経費の圧縮によるものかによって評価は異なります。
理想は売り上げの伸びに伴って利益が伸びる状態で企業の収益力や成長性の裏付けになります。
<キャッシュフロー>
キャッシュフローは一定期間の営業活動、投資活動、財務活動に関するお金の増減を表します。
営業キャッシュフロー
企業が本来の事業から産み出すキャッシュを表す指標で、現金、預金、現金同等物の合計金額です。
従って営業CFはプラスが大きいほど資金繰りが良くなります。
投資キャッシュフロー
設備投資などの本業に関わる投資活動や株式投資などによるキャッシュの増減を表します。
投資活動なのでマイナスになるのが普通ですが、有価証券や設備を売却した時はプラスになります。
従って当該企業が何らかの先行投資を行っている場合は投資効率の分析が必要です。
財務キャッシュフロー
借入金の増加や返済によるキャッシュの増減を表すので、借金を返済すればマイナスになります。
財務CFがプラスの場合は借入金が増加した可能性があるので貸借対照表との照合が必要です。
<キャッシュフローのpoint>
営業CFがプラスで投資CFと財務CFは条件付のマイナスが望ましい。
従ってCFごとに増減した要因を分析する必要があります。
つまり投資CFがマイナスでも設備投資などが将来大きな利益を産めばプラス効果という訳です。
同様に財務CFがマイナスでも、それが借入金の返済によるものなら財務内容の改善に繋がります。
また営業CFから投資CFを引いたものをフリーCFと呼び
フリーCFが大きい程自由に使えるキャッシュが多くなります。
逆にマイナスになると事業資金を借入れる必要性が生じ、経営が一段と厳しくなる可能性があります。
この他一株当たり純資産やBPS(潜在株式調整後)、営業利益率、配当性向など
一目で解かるデーターは必ず参考にしましょう。
決算書を隅々まで読むのは大変ですが、少なくとも青字の部分はチェックが必要だと思います。
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おはようございます
月曜日の体育の日は台風が来そうなのでじっくりまとめて読みます
NYダウは下降トレンドだと思うのですが中間選挙のある年は11月まで調整し
年末にかけて上昇すると言われてますがどうなるでしょうか?
タツさん、おはようございます!
ダウは仰るように調整段階だと思います。
少なくとも昨夜の様に大きく上げても持続しない傾向が続いていますから
投資家心理としては戻り売りが優勢ではないかと考えています。
中間選挙後のことはよく分かりませんが、やはり企業業績と雇用統計
さらには住宅関連の指標次第ではないかと思います。
常に利上げのタイミングが意識されそうでなので
経済指標に比較的敏感に反応するのではないでしょうか。
ところで連休はまたまた大型台風が関東方面を襲う可能性が出て来ましたね。
体育の日はテニスのご予定があったのでは?
何とか進路が逸れることを祈っています!
NYダウは調整段階ですね
ただ、日経は年末にかけて上がると思っているんですけど?・・・
GPIFの下支え、黒田砲・・・
NYダウに足をすくわれないといいんですけど
たまにはでもいいです。
kabakabu講座の勉強会の予定を入れてます
時々、休まないと錦織同様バテバテになります
日銀は追加緩和には消極的ですね。
個人的にはこれ以上円安が進むと原材料費の高騰や個人消費の落ち込みで
景気に悪影響があると考えている様な気がするんです。
現に中小企業は原材料費や燃料費の値上がりで大変の様ですし。
確かに株価は長期的に上向きだとは思いますが
アベノミクス相場もやがて2年を迎えますから
株価のサイクル的にはそろそろ頭が重くなる可能性もありそうですね。
さらに急激な円安で外人はなかなか買って来ないと思います。
国内勢の頑張りで、年末17000円があれば御の字かも知れません。