著名投資家のウォーレン・バフェット氏の投資スタイルは、成長力や収益性からみて割安な株(企業)を購入して長期保有するというものです。
昨日はバフェット氏率いる投資会社のバークシャー・ハザウェイが非公開企業で米最大の自動車ディーラーグループのバン・タイル・グループを買収し、自動車業界に参入することが話題になっています。
過去最高値圏にあるNY株式市場では、経済や金融政策の先行きについて悪い兆候がないかナーバス(神経質)になっていますが、昨日CNBCテレビに出演したバフェット氏は米経済や米企業の長期的な将来性に自信を示し、ダウが238ドル安となった前日の下落局面で複数の米主要銘柄に買いを入れたことを明らかにしています。
バフェット氏と違い、一般的には相場が上昇したという理由で投資を躊躇する投資家は少なくありません。
NYダウが最高値を更新し続けていることからも分かりますように、経済が成長すればいずれ株価が高値を抜くことは必然です。「上昇した」ことを買わない理由にしてしまう投資家と、そのようなことに拘らない投資家とでは収益機会が違ってくることは間違いありません。
ちなみに、NYダウがそれまでの過去最高値を更新する強い動きの中にあった昨年5月、バフェット氏は「(将来的には)今と比べてはるかに高くなるだろう」とコメントしています。直近で株を購入している事実を見れば、昨年よりも高い水準にある今もその考えに変わりはないだろうと想像できます。
おそらく、一般的な投資家とバフェット氏が大きく違うところは、後ろを見ているのか、前を見ているのかという点です。
今晩のNY市場では注目の雇用統計が発表されます。雇用者数の大きな伸びは景気拡大を裏付けますが、あまりに良い数字ですと今度は早期利上げ懸念が台頭します。また、パッとしないデータであれば景気回復の鈍化を意識させる可能性もありますが、現行の緩和的政策の長期化期待につながった場合は相場にとってはむしろ追い風です。