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【1】今日の相場 **
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◎日経平均
15708.65(+ 46.66)△0.30%
◎TOPIX
1282.54(+ 2.39)△0.19%
◎売買高概算 21億6029万株
◎売買代金概算 2兆1592億円
◎時価総額 457兆9600億円
◎値上り銘柄数 1201 ◎(年初来)新高値 18
◎値下り銘柄数 485 ◎(年初来)新安値 62
◎変わらず 144
◎騰落レシオ(25日) 97.42%
◎カイリ率(日経平均)
25日線比-1.16%
75日線比+1.15%
◎為替
(対ドル) 108.83
(対ユーロ)137.60
◎出来高上位
1.みずほ <8411>
194.1円(+ 0.6円)124,103千株
2.ユニチカ <3103>
50円(+ 1円) 87,645千株
3.三菱UFJ<8306>
601.9円(+ 2.3円) 52,175千株
4.熊谷組 <1861>
403円(+ 17円) 52,116千株
5.三住建 <1821>
129円(+ 4円) 37,446千株
◎売買代金上位 (円)
1.ソフトBK<9984>
7439円(- 55円)112,795百万
2.日経レバE<1570>
10820円(+ 10円) 98,632百万
3.トヨタ自 <7203>
6290円(+ 15円) 64,322百万
4.ファストリ<9983>
37370円(+ 1千円) 37,714百万
5.三菱UFJ<8306>
601.9円(+ 2.3円) 31,446百万
◆相場概況
外国証券の寄付前の注文状況・・・売り1840万株 買い730万株
本日の東京マーケットは日経平均株価が4日ぶりに上昇、前日比46円(0.30%)高の1万5708円で取引終了です。
昨晩のNYダウは3ドル安と小動きであり、昨日に420円の大幅安となった後だけに警戒する向きも多く、朝方から昨日の終値を挟んでもみ合う神経質な展開。今晩に注目の米雇用統計の発表を控えて手控え気分も強く、また週末要因からのポジション調整の売りも見られ、13:30には一時下げ幅が102円となる場面がありました。
ただ、14:30から日銀の黒田総裁が足元の円安・ドル高について「日本経済全体としてマイナスになることではない」と述べたことで円相場が108円台後半の円安に振れ、これを好感した買い、加えて先高期待からの押し目買いも入り、引けにかけてはプラスに転じています。売買代金は概算2兆1592億円、上海市場は国慶節で休場、香港ハンセン指数は日本時間15:30現在で174ポイント(0.76%)高の2万2107となっています。
業種別では、建設、化学、食品、医薬品などの上げが目立ち、不動産、電力ガス、海運、自動車などが下げています。
個別銘柄では、三菱商事系で静岡を地盤とする業務用食肉加工大手の米久が31円高の1347円と連日で上昇して年初来高値を更新中。昨日の引け後に2015年2月期通期の連結純利益が前期比3倍の27億円になる見通しと発表。従来計画23億円から上方修正となり、好感した買いが入っています。豚などの飼育も手掛けており、国産の食肉相場が高値圏で推移していることも収益に寄与しています。
ユニクロを展開するファーストリテイリングが1000円高の3万7370円と大幅高、約半年ぶりの高値水準となっています。昨日に「ユニクロ」の9月の国内既存店売上高が前年同月比19.7%増と発表。秋冬商品の売れ行きが好調であり、この秋冬商品から平均5%の値上げをしていますが、販売への影響は限定的であり、好感した買いが入っています。
中食業界首位でセブンーイレブン向けが収益の柱のわらべや日洋が124円高の2022円と値を飛ばしています。昨日の引け後に3~8月期連結純利益が前年同期比2%増の17億円と発表。3~8月期としては過去最高となり、好感した買いが入っています。納入する大手コンビニ店舗の出店拡大に伴い、おにぎりやチルド弁当の販売が伸びています。売上高は10%増の1034億円です。
その他、昆布・煮豆の総菜食品で首位のフジッコが3日連続高、116円高の1546円と値を飛ばして年初来高値を更新。土木・建設分野向け測量機器やGPSのトプコンが35円高の2484円、ジェネリックの日医工が37円高の1770円、トンネル・ダムなど大型土木に定評の安藤ハザマが26円高の684円。
蚊の忌避剤(虫除け)で自治医科大学と共同で特許を取得した大幸薬品が143円高の1962円、主力の工作機械や小型プリンターが好調のスター精密が114円高の1715円、防災工事や土木の大規模プロジェクトで受注良好な日特建設が32円高の553円、道路舗装等の改質アスファルト乳剤でトップのニチレキが48円高の926円と値を飛ばしています。
本日の新高値銘柄は、米久、フジッコ、エアーテック、ハイデイ日高、スター精密、日本写真印刷、大和冷機・・・等々です。
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【2】主な材料 **
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・バフェット氏、自動車販売大手買収 さらなる買収も
・経産省、ガス小売り自由化に向け業界に規格統一要請
・日銀総裁、円安「経済全体としてプラス」衆院予算委
・スカイマーク、エアバス違約金「今月中の合意目指す」
・直近IPO、初値で公開価格割れ相次ぐ 活況に変化
・イオン、3~8月期純利益91%減 自社株買い発表
・連休明け香港市場は上昇 デモ拡大への警戒感薄れる
・IMFのラガルド専務理事、世界経済「予想より弱い」
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【3】主な投資判断 **
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[UBS証券]
据置き A
(5802)住友電工 1,710→ 1,740円
据置き A
(6981)村田製作所 11,000→14,000円
引下げ A→B
(5801)古河電工 260→ 210円
[野村証券]
据置き A
(3382)セブン&アイ 5,000円
据置き A
(9432)NTT 7,910→ 7,730円
引下げ B→A
(9983)ファーストリテ 38,000→42,500円
[SMBC日興証券]
据置き A
(2502)アサヒ 3,640→ 4,160円
[三菱UFJMS証券]
据置き A
(4528)小野薬品 17,000円
[みずほ証券]
据置き A
(6326)クボタ 1,800→ 2,000円
据置き A
(5802)住友電工 1,700→ 1,850円
据置き A
(9843)ニトリ 7,200→ 8,000円
据置き A
(9086)日立物流 1,800→ 1,700円
[大和証券]
据置き 1
(8276)平和堂 2,000→ 2,400円
据置き 2
(6474)不二越 900円
※3段階評価はA~C、5段階評価は1~5にて表記
※投資判断を再開した場合は新規と記載
※価格は各証券会社が判断する妥当株価
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【4】ダーウィンいわく **
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花札やトランプを作っていた任天堂が、世界的な家庭用ゲーム機メーカーに変貌したように、創業時と違う形で成長し生き残ってきた企業は少なくありません。
例えば、化学肥料が発祥の信越化学は、現在でこそ塩化ビニール樹脂や半導体ウエハで世界最大のメーカーとなっていますが、1973年の第一次オイルショック時に社内の慎重論を押し切って米国の塩ビメーカーを完全子会社したことが同社発展の礎になっています。
東レの飛躍のきっかけは同社がまだ東洋レーヨンだった1951年、米デュポンからナイロンの製造技術を導入したことに始まります。
デュポンが開発したナイロン66と、東レが独自開発したナイロン6はよく似た商品であっても物性としては違うものでしたが、将来の特許係争を危惧した東レはデュポンの特許に使用対価を支払う決断をしました。
その際、デュポンに支払った金額は、当時の東レの資本金の約1.5倍にもなる巨費でした。社運を賭けた無謀ともいえる決断に内外から批判もあったそうですが、とにもかくにも東レのナイロンは戦後日本の経済復興を牽引するほどの大発展を遂げ、それまで2流メーカーに甘んじていた同社を一躍繊維業界のトップに押し上げました。
三越や松下(現パナソニック)の専属配送業者だったヤマト運輸は、1970年代、日本経済が戦後初のマイナス成長に落ち込み、大口貨物輸送の採算悪化やオイルショックの追い打ちで経営危機に直面しますが、それまで前例のなかった個々の家庭を顧客とする小荷物配送(宅配事業)を開始し危機を脱します。
イビデンは揖斐川(いびがわ)水系の電力会社として創業したのが始まりで、その後、カーバイト、カーボン、プリント配線基板、セラミックファイバー、半導体パッケージなど、時代の変化に合わせて事業を切り開いてきたという歴史があります。
祖業を磨き発展する例もありますが、得意な商品や事業に固執した結果、破たんしてしまうケースは少なくありません。米イーストマン・コダックがまさしくその例で、得意分野の銀塩フィルムに固執するあまり、時代の変化に気づこうとせず、新たな市場への展開が遅れ、ついに破たんしてしまいました。
コダックの例は「イノベーションのジレンマ」という典型的な経営の罠で、これに陥らなかったのが富士フイルムです。
富士フィルムにとって写真フィルム事業は創業以来の根幹であり、フィルムが売れれば現像液や印画紙も必要ということで、2000年頃のピーク時には関連事業を合わせると総売上高の50%超、営業利益の7割を稼ぎだす主力事業でした。
しかし、デジタルカメラの普及で写真フィルムの売上高が急速に落ち込み、2011年度の関連事業の売上高は全体の1%未満にまで縮小。こうした環境の激変が富士フィルムに構造転換を促しました。
長年培ってきた技術を活かして製造販売を始めた液晶ディスプレイ用偏光板保護フィルムは今や世界シャア70%、視野拡大フィルムは世界シェア100%で市場を占有するまでに成長。写真フィルムでコラーゲンを扱ってきた技術力を活かして参入したスキンケア化粧品は業界内からも消費者からも高い評価を受けています。
最近では、子会社の富山化学工業が手掛けるインフルエンザ治療薬の「アビガン錠」がエボラ出血熱患者に投与され、多方面から引き合いが来ていることでも注目され、ヘルスケア事業が同社の新たな屋台骨に成長しつつあります。
こうした事例は、進化論を唱えたイギリスの自然科学者チャールズ・ダーウィンの以下の言葉を思い出させます。
「 最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるでもない。
唯一生き残るのは、変化できる者である。」