第13章(走る)間一髪だった!車道に一歩足を踏み出した瞬間猛烈な勢いで目の前を通過するトラック。ふぅ~、危ない危ない。こんな所で轢かれてたらシャレにならない。しかし、向こう側の男は・・・信号待ちをするどころか来た道を引き返して行った。どういう事なんだ?男は考えた。確かに目が合った・・ように思った。そう思ったのが間違いなのか?いや、違う。間違いではない。あの男も自分の方を見ていた。確かに目が合った。自分の落し物を持ってここまで追いかけて来てくれた・・はずである。そうではないのか?そではないとしたら・・・まさか・・・信号の向こうにいたのは、どう見てもうだつの上がらぬオッサンだ。自分を追いかける理由は例の件ではないはずだ。だとしたら・・・「ここまで」追いかけてというのは確かだが「どこから」追って来てるのか?男には判らなかった。判らないが・・・追いかけて来て、そして目が合って自分はここにいる。では、なぜ来た道を走り去って行くのか?判らない。全然理解出来ない。男は時刻を見た。午後8時を過ぎている。今からではもう間に合わない。間に合わないならば、男の取る方法は一つ。あの男の後を追いかける。苦労して手にしたコレを無駄にしたくない。男は手に中にあるシワクチャになったものを見た。あのタブレットは、必要なんだ!多少のリスクは負っても、あの男を追うしかないそれしかなかった。(14章へ続く)第1章はこちら→第1章