NGTNさんのブログ

最新一覧へ

« 前へ237件目 / 全560件次へ »
ブログ

週末まとめ -6/8-

E011498e7   Ad7855e65   372f4ad43  

1週間のまとめを書いてみます。

★アメリカ
S&Pによるリーマン、メリルリンチ、モルガンスタンレーの格下げ、業績悪化でワコビアのCEOが更迭、ムーディーズがMBIAとアムバックを格下げ方向、AIGにSECの調査、と金融株に悪材料が続きました。そのため、金融セクターのウェイトが高いダウとS&P500はかなり弱い動きでした。マクロ経済指標は、ISM製造業・非製造業指数や5月小売店売上高などは、底堅いものでしたが、金曜発表された雇用統計で、失業率が予想を大幅に上回る5.5%だったことから、金曜に米株は大幅安となりました。
失業率は、学校を卒業した学生もしくは夏季休暇に入った学生が仕事を探したため、それが労働力人口の増加につながり、失業率が一気に上がる結果になったようです。データを見ると、全体の労働力人口57万人増に対して10代の労働力人口は26万人増、全体の失業率は5.0%⇒5.5%に対して10代の失業率は15.4%⇒18.7%となっています。非農業部門雇用者数の減少は4.9万人とマイルドなものだったので、実態はそれほどひどい状況ではないのかもしれません。
ハイテク株が強かったので、ナスダック指数のチャートはまだ崩れていないですが、ダウ、S&P500のチャートは、下降トレンドっぽいです。どっちに従うか迷いますね。


★日本
日経平均は週間を通して強い動きでした。5月米新車販売で自動車株が買われたり、5月既存店売上でファーストリテイリングが買われたりしました。銀行、保険、証券など金融株も、サブプライムローン関連によるダメージが欧米金融機関と比較して少ないため、強い動きでした。日経平均は、精密機械・半導体・電機といったところの指数寄与度が高く、また金融セクターもアメリカと違って強いので、ダウよりもナスダック指数に連動しやすいようです。
金融株の強さについては、4月のG7で示された「100日ルール」によりヘッジファンドに対しての証拠金(みたいなもの)が引き上げられ、それがショートポジションの巻き戻しにつながったんじゃ?とも思っています。まあ実際はどうなのかはわかりませんが、そんなこともちょろっと考えました。国内金融機関は、欧米と比較してダメージが小さいとはいっても、沈んでいく内需にしがみついている以上は、これ以上の成長戦略が描けるわけではないので、上値には限りがあると思います。
先日の日記にも書いたように、日本市場はセンチメントの転換が遅れ気味になる傾向があるので、最近の日本市場が強かったといっても警戒が必要だと思います。一旦売られだすと、今度は世界最弱な動きになることが良くあります。個人的な感覚ですと、中長期で買う場合は、日経平均13000円前半は安い、14000円以上は高いです。
今週金曜日は日経平均先物・オプションのメジャーSQです。オプションの建玉についてですが、金曜日にP140(日経平均14000が行使価格のプットオプション)の建玉が一気に増えて、38600枚になっていて、日経平均が14000円に近づくとプット売りに対しての先物ヘッジ売りが出て先物売りで相場が下げやすくなるので、注意が必要でしょう。しかしまあ、金曜夕方にP140の建玉が増えているのを見て嫌な予感がしたのですが・・・やはり相場は多くの人が血を流す方向へ動きたがりますね。
オプション建玉の枚数は、30000枚でやや多い、40000枚でかなり多い、50000枚で相当多いって感じです。行使価格が遠いところなら問題ないですが、現在値と近いところの行使価格の建玉が多いと先物売買で相場の動きが激しくなりやすいです。


★為替
ECBが利上げも辞さない姿勢を示したことから、ユーロに買い圧力がかかりました。ドルも強かったですが、金曜の米雇用統計の発表後は、一気に売られました。円安傾向なのは、アジアの新興国通貨が売られているため円も売り圧力がかかるのではないかと思っています。


★商品
米雇用統計の数字が悪かったことから、ドルが売られ原油価格が跳ね上がりました。
6/2の日記にも書きましたが、相場を押し上げるのはバイ&ホールドする長期資金です。投機というものは、買ったら売らなければならないし、売ったら買わなければならない。例えば、日経平均先物で、クレディスイスやカリヨンからの手口が目立ちますが、あれを見てもわかるように、投機筋があほみたいに売って日経平均-300円ってなっても、翌日には買い戻して元の位置に戻りますよね。ですので、仮に商品市場の投機筋を規制しても意味はないんじゃないかと思います。規制すべきは、年金基金やコモディティファンドなどの長期の投資マネーの流入だと思います。(投機筋に分類されるところを通じて長期の投資マネーが入っているパターンもありますね。蛇口を閉めるか水源を絞るか、の違いで、蛇口を絞れば流入はスローペースになるでしょうけど、長期で流れ込み続ければ水かさは上がります。)
おそらく、現状の世界経済は、先進国は減速、新興国はまだまだ強い、と認識されていると思います。原油価格が下がるには、一度新興国の経済に急減速がかかって、新興国の需要増が続くから原油価格も先高観があるというストーリーが否定されることが必要なのではないでしょうか。しかし、もしそうなった場合は、先進国の株式市場も新興国の株式市場もかなり弱くなると思います。


★今週の予定

9日(月)
 4月景気動向調査(日)
 5月景気ウォッチャー調査(日)
 4月中古住宅販売保留(米)
10日(火)
 4月機械受注(日)
11日(水)
 第1四半期GDP・二次速報(日)
 ベージュブック(米)
12日(木)
 5月輸入物価指数(米)
 5月小売売上高(米)
 新規失業保険申請件数(米)
 リーマン決算発表(米)
13日(金)
 SQ(日)
 日銀金融政策決定会合(日)
 5月消費者物価指数(米)
 6月ミシガン大消費者信頼感指数(米)
 GS決算発表(米)



試しに書いてみましたが・・・結構時間かかりますね。どうしよ、来週以降も続けようかな。とりあえず、余裕がある時だけってことにしておきます。
コメントを書く
コメントを投稿するには、ログイン(無料会員登録)が必要です。
5件のコメントがあります
  • イメージ
    NGTNさん
    2008/6/8 20:38
    そう言っていただけると嬉しいです。出たものだけを見るとすっきりしているかもしれませんが、日々、あれこれ悩みながら情報を咀嚼しています。(消化⇒出たものって書くと、ウ○コみたいですね)
  • イメージ
    Tanpanさん
    2008/6/8 19:20
     >私はあまり頭が良くないので
    いえいえ^^
    だったら情報を消化できないでしょうに…
    複雑に絡み合った情報を平易な文章に書き下ろすってかなり大変だと思います。

    まぁお蔭様で私は助かっています^^
  • イメージ
    NGTNさん
    2008/6/8 18:14
    みやまな鉄砲長さん、
    週末まとめを書いた目的としては、日々の相場の動きから少し離れてファンダメンタルズに軸足を置いた視点を書いておきたいというのと、仕事が忙しくて毎日相場をチェックするのが難しい人向けに数分で一週間の動きが把握出来るようなものを作ってみようというのがあります。
    インプット⇒消化⇒アウトプットのサイクルで、アウトプットにどれくらい時間をかけるかですね。


    Tanpanさん、
    私はあまり頭が良くないので、単純化したり比喩にしたりして平易な文章で考えないと理解出来ないんです。そうすると少し抜け落ちてしまうものもありますが、大筋が把握出来ればいいかなと思っています。
    石油の自給率は、中国が70%程度、インドが30%程度だったと思います。ロシア、ブラジルは石油輸出国。なので、原油価格の高騰は、BRICsではインドが一番ダメージが大きいですね。
  • イメージ
    Tanpanさん
    2008/6/8 17:52
    こんにちは^^

    NGTNさんの相場解説っていつもながら経済全般を網羅しているのにすごく分かりやすいので感謝しています。

    新興国の中でも資源の少ない所はきついですよね~@@

    余裕のある時だけで良いですよ~^^
    ありがとうございました。。
  • イメージ
    こんにちはーNGTNさん

    まとまっててすごいっすm(__)m

    >試しに書いてみましたが・・・結構時間かかりますね。どうしよ、来週以降も続けようかな。とりあえず、余裕がある時だけってことにしておきます。

    私も似たようなことしてるんですけど、
    経済指標調べたり、
    かなりパワーいると思いますよ。。。
    毎日が結構まとまってるので、余力のあるときに!
    ↑わたしはよく読みに来てますから。

    書いたら書いたで、個人的にはすっきりするんですけど(^^ゞ