NYは急落しているが

週末6月6日のNYは、大幅下落となった。終値は、12209.81(‐394.64)ドル。5月の米失業率が5.5%と2004年10月以来の水準に上昇する一方、原油先物が11ドル近く上昇、ダウは2007年2月以来の大幅な下げとなった。水準をみると、日足は完全に雲を下に突き破ってしまっている。かろうじて基準線が雲の上と、遅行線が雲の下限とぶつかるところでとまった形であるが、4月15日の安値をきってしまっており、3月31日の安値12196をきる寸前である。これから3月11日の二番底11741のテストに入る局面と思われる。週足もすでに転換線、基準線をきっており、調整入りの局面にはいっていたが、週足RCIが急速に降下しているので、RCIがボトムをつけるまで数週間は下降局面を覚悟しなければならない。月足も基準線をわっており、月足レベルでも調整入りといわねばならないが、月のRCIは底をはっており、さらにどんどん下げてゆくような下降局面ではないのではないか、と多少希望的な観測かもしれないが、期待している。
 一方アメリカ経済の先行きが不透明な割には、為替は円ドルではドルは堅調である。日脚ではさすがに少しドル安に戻したが、現時点で104円台後半だが、日足のMACDもRCIもまだ上昇中で目先ドル高のトレンドが終わるきざしはみえない。週足でも基準線を超えてドル高方向へ上昇中である。月足もまもなく転換線にタッチするところまで戻してきており、月足RCIも底打ちして反転上昇中。週足のRCIはそろそろ天井だし、月足の転換線106.79が近づいてくれば頭が重くなると思われるが、ドル安の方向に変わる感じは週足月足でも今のところみえていない。
 これはアメリカ経済の行く末への懸念にもかかわらず、アメリカの金利が底打ちして上昇しつつあることを反映していると思われる。試みに、米国債10年物のチャートをみてみると、日足は高値をつけた後基準線3.92の直前まで下落したが、まだ上昇トレンドが転換したところまではきていないし、週足で見ても、4.07まで上昇して、大きく3.9まで下落したもののの、まだ基準線の上。月足では、3月を底に反転して、転換線4.008%をめぐる攻防となっている状況である。月足RCIは明確に上昇中だし、週足も基準線をまだ大きくこえている状況で、円ドルチャートと形がよく似ている。今後ダウの急落が続けば金利も大きな変動をする可能性はないわけではないが、原油が上昇しているため、景気後退にもかかわらず、インフレ懸念も強く、金利の急速な低下はのぞみうす、というのが現在の市場の読みなのだろうか。
 さて、日経平均は週末まで調子よくあがってきたが、この調子が続くかどうか。日足のチャートでは、窓を開けて上昇、6月2日の高値を抜いてきており、日足のMACD、RCIも上昇である。週足もRCIが頭を丸めているものの、基準線をこえてきて上昇基調。月足は雲の上限に沿ってきれいに上がりつつある形で、日経平均のチャートをみるかぎりでは、腰が強い印象をもつ。もちろん、NYが急落すれば、その影響は避けがたいであろうが、NYダウの下落のあと、金利がどのように動くかが焦点だろう。金利の上昇トレンドが続くのであれば、ダウの下落と金利の上昇の綱引きで、その結果為替がどちらにふれるか、それ次第というところだろう。外部環境(ということばはもはや実態をあらわしていないと思うが)にふられる動きが続くことは避けられない。
 ただどうも今のところは、上に見たように、アメリカの金利の上昇はまだ崩れていないので、為替のドル高のチャートもなかなか腰折れしそうもなく、NY株の弱さにもかかわらず、為替のおかげで、東京の株は下げても、下値はそれなりに堅いのではないだろうか。
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