日経平均株価が昨年来高値とともにリーマン・ショック(08年9月15日)後の高値を更新。07年11月2日以来、およそ6年10カ月ぶりの高値で取引を終了しています。
ところで、明日は秋の彼岸入りです。コンビニやスーパーのお惣菜コーナーの目立つところには「おはぎ」が並べられていますが、草かんむりに秋と書く萩は、その名のとおり秋を代表する花の一つで、秋の七草の筆頭にも数えられています。
ちなみに、秋の七草は「萩(はぎ)尾花(おばな)桔梗(ききょう)撫子(なでしこ)女郎花(おみなえし)藤袴(ふじばかま)葛(くず)」で、古くは万葉集にある山上憶良の歌(下記)に由来します。
『 秋の野に 咲きたる花を 指折りかき数ふれば 七種(ななくさ)の花
萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝顔の花 』
尾花はススキのこと。憶良の歌にある朝顔は桔梗という説が有力で、春の七草が食して楽しむ花でまとめられているのに対し、秋の七草は観賞して楽しむ草花でまとめられています。ただ、開花時期がそれぞれ異なるため秋の七草を同時期に鑑賞することはなかなか適いません。
なお、秋の七草(ハギ、ススキ、キキョウ、ナデシコ、クズ、フジバカマ、オミナエシ)は「ハスキーなクフ王」と覚えれば忘れにくいそうです。
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【1】今日の相場 **
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◎日経平均
16321.17(+253.60)△1.58%
◎TOPIX
1331.91(+ 14.00)△1.06%
◎売買高概算 25億8075万株
◎売買代金概算 2兆7497億円
◎時価総額 475兆1772億円
◎値上り銘柄数 1328 ◎(年初来)新高値 200
◎値下り銘柄数 383 ◎(年初来)新安値 3
◎変わらず 119
◎騰落レシオ(25日)119.08%
◎カイリ率(日経平均)
25日線比+4.16%
75日線比+5.97%
◎為替
(対ドル) 109.13
(対ユーロ)140.70
◎出来高上位
1.みずほ <8411>
200.7円(+ 1.0円)180,875千株
2.ユニチカ <3103>
49円(+ 1円) 77,290千株
3.蛇の目 <6445>
167円(+ 14円) 73,719千株
4.三菱UFJ<8306>
629.3円(+ 8.1円) 64,888千株
5.新日鉄住金<5401>
299.3円(+ 2.5円) 52,090千株
◎売買代金上位 (円)
1.ソフトBK<9984>
8740円(+ 50円)168,554百万
2.トヨタ自 <7203>
6494円(+ 49円)113,395百万
3.日経レバE<1570>
11570円(+ 360円)105,177百万
4.ソニー <6758>
1921円(- 19円) 65,507百万
5.ファストリ<9983>
36250円(+1245円) 40,985百万
◆相場概況
外国証券の寄付前の注文状況・・・売り1400万株 買い2430万株
本日の東京マーケットは日経平均株価が大幅高、前日比253円(1.58%)高の1万6321円と昨年12月30日に付けたザラ場高値1万6320円を上回って昨年来高値を更新です。
昨晩のNYダウが109ドルの大幅高で史上最高値を更新、S&P500種も史上最高値を更新。加えて円相場が1ドル=109円台と6年ぶりの円安水準に振れたことも好材料となって朝方から幅広い銘柄に買いが先行。外国人と見られる大口の買いも入り、終日高い水準での値動きとなっています。スコットランドで実施された英国からの独立を問う住民投票で独立反対票が過半数になる見通しとなったことも買い安心感に繋がっています。売買代金は概算2兆7497億円と膨らんでいます。上海総合指数は13ポイント高の2329です。
業種別では、機械、自動車、電機、鉄鋼、倉庫、保険などの上げが顕著です。
個別銘柄では、セラミックコンデンサーで世界トップシェアの35%を占め、他にも世界トップ製品を多く抱える一押しの村田製作所が連日で大幅高、500円高の1万1810円となっています。海外売上高比率91%と高く、この度の円安進行メリットは大。加えて米アップルのスマートフォン「iPhone6」関連としての買いも連日で入っています。
富士重工が147円高の3371円と値を飛ばして上場来の高値を更新。円相場が1ドル=109円台の円安に進行し、業績上振れを期待した買いが入っています。1円の円安は年間の営業利益を90億円程度押し上げ、今期の想定為替は1ドル=100円となっており、大きな収益拡大要因となっています。
他にも、トヨタが49円高の6494円、日産が17円高の1076.5円、マツダが72円高の2728円、スズキが101.5円高の3790円と値を上げて年初来高値を更新しています。
IHIが26円高の540円と値を飛ばして年初来高値を更新。政府が純国産戦闘機の開発に向けて検討に入ると報じられており、関連銘柄として継続的な買いが入っています。加えて、航空エンジンやボイラー、ターボチャージャーなど主力事業の成長性が見込め、業績の上方修正期待が高まっています。
三越伊勢丹が30円高の1333円、丸井が25円高の913円と値を上げています。9月末が迫り、株主優待を狙った買いが入っています。小売業は2月末を期末とする企業が多いですが、両銘柄ともに3月末が期末で9月25日は9月末の権利付き最終売買日となります。三越伊勢丹は10%割引となる優待カードを発行しています。
その他、業績好調を受けて北陸最大手のドラッグストアのクスリのアオキが5日連続高、205円高の4720円と年初来高値を更新。三井物産が21円高の1777円と年初来高値を更新、三菱電機も20.5円高の1430.5円と年初来高値更新。
富士山関連の富士急行が87円高の1247円と値を飛ばして年初来高値更新、NC旋盤・マシニングセンタで最大手クラスのDMG森精機が83円高の1418円、建設基礎杭であるコンクリートパイル関連の三谷セキサンも103円高の1930円と値を飛ばして年初来高値更新です。
本日の新高値銘柄は、太平電業、山パン、味の素、帝国繊維、クスリのアオキ、サンマルク、信越化学、富士フイルム、中国塗料、日立建機、JUKI、三菱電機、日本電産、アルプス、TDK、村田製作、トヨタ、日産、富士重、三井造、IHI、スズキ、三井物、松屋、富士急行・・・等々です。
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【2】主な材料 **
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・円、6年ぶり109円台 株は6年10カ月ぶり高値
・スコットランドの住民投票、反対票多数で独立を回避
・日本株「まだまだ評価低くお買い得」経財相が会見で
・GPIF運用見直し、首相「できる限り早く行いたい」
・9月の月例経済報告、景気判断を5カ月ぶり下方修正
・8月の百貨店売上高、0.5%減 5カ月連続の減少
・9月第2週の部門別動向、海外勢は2週連続買い越し
・三菱自、小型トラックOEM供給でフィアットと合意
・アリババ、今日NYSE上場 資金調達額は史上最大
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【3】主な投資判断 **
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[クレディS証券]
据置き A
(5444)大和工業 4,300→ 4,600円
引上げ B→A
(7013)IHI 450→ 600円
[野村証券]
引上げ B→A
(3249)産業ファンド 103万→112.8万円
据置き A
(3287)星野リゾート 96.3万→133.4万円
据置き A
(6146)ディスコ 9,112円
[三菱UFJMS証券]
据置き A
(6502)東芝 630円
[みずほ証券]
据置き A
(5471)大同特殊鋼 630→ 520円
[大和証券]
据置き 1
(7202)いすゞ自動車 900円
引上げ 3→2
(7205)日野自動車 1,500→ 1,700円
※3段階評価はA~C、5段階評価は1~5にて表記
※投資判断を再開した場合は新規と記載
※価格は各証券会社が判断する妥当株価
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【4】ネイサンの逆売り **
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現在、相場の状況などはパソコンの画面で瞬時に確認できますが、江戸の頃の米相場の情報伝達には旗振り通信が使われていました。
当時は経済の基盤がお米であり、各地に米の取引所がありました。米相場の中心地は堂島(大阪)でありましたから、米商人達は堂島の動向をいち早く掴むことで利ザヤを稼いでいたようです。
そうした商人達の需要に応えるように発展した旗振り通信だったわけですが、大阪の堂島から和歌山まで3分、広島まで40分(27分という説も)で情報が伝わっていたといいますから驚きです。堂島の相場の前場と後場の引け値を伝えるため西は九州、東は江戸まで旗振り通信網が整備されていたそうです。
相場において情報を持つ者と待たざる者の格差というのは、昔は今以上に歴然と存在していました。そして、情報を持たざる者は、正確な情報と判断によって行動しているかのように見える人にこぞって追従します。
やがてその動きは、事の真実は二の次となり、勝手に拡大・増勢されていくというのが相場の一つの側面です。
投資に関して素早い情報収集が巨万の富を生んだという話では、ロスチャイルドの「逆売り」の例があまりにも有名です。
ちなみにこの話の主人公ネイサン・ロスチャイルドはフランクフルトに両替商を開いたマイヤー・アムシェル・バウワーの三男で、フランクフルト市の紋章を模した赤い盾の看板を挙げていたことからロスチャイルド(独語で赤い盾を意味するロートシルトの英語読み)と名乗るようになりました。
時は1815年、ナポレオン率いる仏軍と英軍がワーテルローにて対峙。英軍がこの戦いに敗れるようなことがあれば英国の利権は一気に縮小することになります。膨大な戦費を公債で賄っていた英国では、ワーテルローの戦い直前の交戦で既に英軍が負けていたこともあり、公債相場が下落を始めていました。もしもこの戦いに勝てなければ、英国公債は暴落必至という状況です。
戦いの結果しだいでは公債相場が急騰あるいは急落する可能性があるため、投機家達は事の成り行きを注目していました。ただ、当時は情報伝達網が整備されていなかったため正確な情報が伝わるまで数日を要しました。そこで投機家達が注目したのが、優れた情報網を構築していた投資家ネイサンの動向です。
ワーテルローの戦いは、ウェリントン公率いる英軍の勝利に終わりました。独自のネットーワークを使い、ウェリントン公の急便より数日前にその情報を手にしたのがネイサンでした。
その時点では英軍勝利の情報を知るのはネイサンただ一人。しかし、ネイサンが市場で出した指示は英国公債の売りでした。その動きを見ていた他の投機家達は英軍が敗北したと思いこみ一切に投げ売りします。暴落の中、一転して怒涛のごとく買いに回ったのがネイサンその人です。暴落の翌日、英軍勝利の情報がもたらされると今度は一転して買いが殺到、相場は大暴騰です。
この時の相場でネイサンは天文学的な巨富を得たとされ、後に「世界の富の半分を所有している」と言われたロスチャイルド家の礎になります。
投資家にとっても関心が高かったスコットランドの独立を問う住民投票の開票状況について、NHKでは番組が変わっても情報の提供を続けていました。日本経済新聞社が筆頭株主のテレビ東京がこういった情報の提供を行ってもいいと思うのですが、なかなかそうはなりません。