本当にあったこんな話(実話)タイトル「疾走」第1章(走る)何かから逃げるようにその男は走っていた。あるいは、何かを追ってでもいるのだろうか?とにかく走っていた。理由は判らない。判らないが、走っている。手に何かを握り締めたまま・・・前方だけを向いて、走っている。鬼の形相で、走っている。(逃げる)逃げなければ・・・逃げなければ・・・捕まる。間違いない。気配で判る。さっきまで、その男は走ってなかった。なのに、私が走り出したら・・・その男も・・・女は確信した。誰かが自分を追いかけている!学生時代、女は陸上部に所属していた。走力ではそこら辺の男には負けない。ましてや、後ろから追って来るのは中年の男性だ。あの目・・・一度ならず、女はその中年男性を知っていた。ただ、通勤路が同じ・・・というだけではないだろう。女は、その男から何かの意図を感じていた。そして今日・・・とうとう、その男は追いかけて来た。追いかけてくる!捕まるとやられる!後ろを振り返る事なく、女は走った。手に持っている荷物の事など忘れて走った。(第2章へ)