株価ファーマフーズ上がれ。 開発情報。
当社は、研究開発型企業であり、総役職員42名中、9名の博士を含めた研究開発スタッフ17名(平成25年7月31日現在)で機能性食品素材を中心に研究開発をしています。
中でも鶏卵抗体技術については、既にヨーグルト、サプリメントといった一般食品分野や、空気清浄機用フィルター原料等の化成品分野に利用されていますが、抗原となるタンパク質の多様化により、化粧品、検査薬・診断薬、医療食・医薬品・メディカルデバイス製品などの分野で用途拡大が期待されます。
そこで当社では医薬や診断薬の方面での応用のため、平成17年4月にはバイオメディカル部門を設立し、大学薬学部及び各医薬品メーカー・診断薬メーカーなどと、次世代製品の開発を進めています。
具体的には、次の研究を重点テーマとして研究開発を進めております。
1) 検査薬・診断薬分野
ピロリ菌は胃潰瘍や胃がんの原因菌として知られていて、抗生物質により除菌する治療も行われていますが、耐性菌の増加や逆流性食道炎といった副作用が問題となっています。また、近年になり「ピロリ菌には毒素を分泌する有毒菌と毒素を分泌しない一般菌がある。」ことがわかり、「(一般の)ピロリ菌は胃内常在菌であり、むやみに除菌すべきでない。」という説も出てきました。そこで当社では、これまでの抗体やピロリ菌関連の研究成果を生かし、毒素をもったピロリ菌を認識できる簡便な検査薬・診断薬の開発を進めています。そしてこの開発をもとに、検査薬・診断薬分野への進出を目指します。
2) 医療食分野
~リセプター抗体~
通常、生体内では、食事で摂った栄養素などの"因子"を、細胞がキャッチし、細胞はそれに基づいた情報(シグナル)を発信することで、消化酵素やホルモンなどの分泌へとつながり、結果的に"生体機能を正常に維持する"ことになります。
シグナル伝達メカニズムにおいて、リセプター(受容体)はシグナル情報伝達を引き起こす因子をキャッチする働きをします。そこで、それらリセプターに対する作用をもった鶏卵抗体を作製し、そのリセプターからの情報伝達を鶏卵抗体により刺激することで、本来の生体機能調節機構の働きを回復させることができるようになると考えられます。このような新たな鶏卵抗体の研究開発により、生活習慣病の症状改善や予防となる医療食の開発と事業化を進めます。
3) 医薬品・メディカルデバイス製品分野
「抗体医薬」は、従来の医薬品に多く見られる低分子化合物と異なり、予期せぬ副作用が起きにくく、血中に留まる時間が長い等の優れた特徴をもつため、その市場は年々拡大しています。但し、現在の抗体医薬の製造には大がかりな培養設備と高額のコストが必要なことから、薬価が高価なものとなっています。
一方鶏卵抗体は、食品用途での大量生産方法がすでに確立されている点や、また、哺乳類間では抗体が産生されにくい抗体も作りやすいなどの特性から、抗体医薬への応用が期待されています。しかし、医薬への応用のためには、人の血中で異物として働かないようにする技術(ヒト化)や、抗体の混合物でなく単一の抗体分子のみを得る技術(モノクローナル化)など、いくつか課題があります。当社では、これらの課題に取り組み、鶏卵抗体の医薬及びメディカルデバイス製品への応用を目指します。