「24人のビリー・ミリガン」では、
米国に実在する多重人格に陥った青年が描かれている。
自分の意識を、いつの間にか他人に乗っ取られ、
その支配下にて、本人の実意識が認識することのできない行動をしてしまう。
言い換えれば、それは「自分の時間を失う」ことだと、この物語では表現されていた。
ビリー・ミリガンには、
本人以外に23人の人格が存在するという。
その内の何人かが、重大な犯罪をしでかしながら物語は進行していく。
★「24人のビリー・ミリガン 上・下」
ダニエル・キース著 早川書房 各900円+税
下刊の終わりには、
意識を乗っ取られたときの脳波の見解が、短いが述べられている。
健常者が他人のふりをしたときの脳波と、
(例えば、俳優が役になりきったときの脳波みたいなもの)
多重人格者が「自分の時間を失う」ときの脳波は、明らかに異なるのだという。
古い物語だと「ジキルとハイド」やら、
現状の世界だと「青森の潮来」やら「悪魔に憑依された人間」やら、
そんなものを想起する人は多いだろう。
オイラはその他に、
「霊視」能力を持ったという人の背景だとか、
「背後霊」だとか、
「ウインダム」という伏見稲荷で憑いたオイラの助言者のようなものを想起する。
いつだったかTVで、
「行方不明者」をすぐに探しだす神主(だったと思う)という人が出ていた。
その神主は、神様にお願いを立てて、頭の中でその声を聞くという。
オイラには、その声の持ち主たちが、
この世の向こう側にいる無数の魂たちの連携プレーによって声する存在のような気がした。
きっとこの世の向こう側には、たくさんの証言者たちがうごめいているのだ。
どんなに悪事を隠そうと企てても、こうした証言者たちの眼を欺くことは絶対にできない。
「霊視」能力をもつ人々は、こうした証言者たちと自在に交流できるのだ。
だから、この世の多くの談合者たちよ、
安心して地獄に落ちろ。