ついにドル・円相場は1ドル=104円台と4ヶ月ぶりの高値水準に突入しました。もちろん、この値動きはイエレンFRB議長の講演によるものですが、タカ派的というよりは思ったよりもハト派的で無かったといった方が正しいのかもしれません。
とまぁそんなわけで、今日はその講演内容とそれからこの日の大損トレードについてまとめておきたいと思います(´;ω;`) ブワッ
事前予想よりハト派色が薄くドル買いにつながる タカ派かと聞かれれば微妙な内容ではありましたが、事前にエコノミストが予想していたのが完全なハト派だったこともあり、ある意味ではプチサプライズとなり、それがドル買いにつながったようです。
正確に表現するとハト派姿勢の後退といった程度ではありましたが、例の『グラスに「まだ半分ある」と見るか、「もう半分しかない」と見るか』というのと同様で、早期利上げ観測がそれほど高まったわけではありませんが、為替市場はこの先の金利引き上げの準備に入ったようです。
イエレンFRB議長の発言については以下に簡単にまとめておきます↓
■23:00 (米)イエレンFRB議長講演(ジャクソンホール)要旨
・米経済はリーマンショックから大きな回復を遂げた
・5年以上経過しても完全回復していないのは傷の深さを物語っている
・米経済は(FRBが)想定した以上の勢いで改善している
・労働市場における賃金上昇の鈍さほどにはスラック(緩み)がない可能性
・労働市場は依然回復途上であり実用的な政策判断必要である
・米経済の回復が予想を上回る場合、利上げ時期が想定より早くなる
・米経済が悪化した場合、金利の引き締めは想定より緩やかになる
お読みいただければわかると思いますが、あくまで中立といえば中立的なんですよねw 基本的にはどっちつかずの内容というか、タカ派的な発言をしたかと思えばハト派的な発言で打ち消すといった中身になっています。
まぁそれでも慎重な姿勢を示すだけではなく、「FRBの予想を上回るペースで改善を続ければ、想定よりも早く利上げに踏み切る可能性」について言及したということが、ドル買いにつながったと見るべきでしょう((φ(..。)カキカキ
目新しい話題についてはそれほどありませんでしたが、特に興味深いのはこれまでイエレン議長が指摘していた労働市場の緩みに対して、新たな解釈が出てきたことでしょう。
これまでは労働参加率の低さや長期失業人口の高止まり、鈍い賃金上昇を問題視してきましたが、今回の講演ではこの賃金上昇に関して、これまで給与を引き下げることができなかった反動が現れているためではないかといった見方も示しています。
要するに、経済情勢の悪化が続いていた中で下げ切れなかったため、今になって給与の上昇の遅れにつながっているということですね。
「景気が悪い中でも据え置いたんだから、今ちょっと良くなったぐらいじゃ据え置きなんだよ!」といういかにも経営者の言いそうなことではありますが、イエレンFRB議長は労働市場に関する専門家ですから、説得力は多少違います(;´∀`)
細かなスタンスの変更ではありますが、今後も繰り広げられるであろう賃金上昇に関する議論の中で、この発言が大きな意味を持つ可能性もありますので覚えておきたいところでしょうか。
近く発表されたFOMC議事録の内容とそれほど変わらなかったので、新味に欠けるといえばそれまでですが、多少はイエレン議長の見解の変化というのが垣間見えた講演だったと思います(*´ω`*)
そしてここからは22日(金)のドル・円相場について振り返っていきます。東京市場は、1ドル=103.60~103.90円台で右肩下がりの値動きでした。序盤は本邦輸入企業のドル買いなどもあり、104円台に迫る場面もありましたが、手前の売りも厚く届かず。その後はジワジワと反落する中で、日経平均もジワリと利益確定の売りに押される形で値を下げたことも影響しました。