朝夕の風の音が、秋の気配を感じさせてくれるようになりました。皆様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。
さて、木曜日まで日経平均株価で過去最長記録と並ぶ9日連続高を演じた株式マーケット。さすがに警戒感が意識され、加えてチャート上でも「一旦、利入れ・手仕舞いを示唆する『三空』(さんくう)」が出現していただけに、短期的には調整・一服が想定される訳ですが、ここで注目したいのが政治的な重要スケジュールです。
= 「内閣改造」と「米中間選挙』 =
1つは、安倍首相が9月第1週にも「内閣改造」と自民党役員人事に踏み切る意向を示しているという点であり、2つ目は11月4日に世界が注目する「米中間選挙」が行われるという点です。
これから政策期待の高まりによる銘柄物色が想定され、内閣改造という観点からはリニア中央新幹線、品川再開発、国土強靭化、東京オリンピックなど話題性豊富なインフラ整備関連として『建設・土木』、観光立国推進の加速から訪日外国人増加で潤うOLCなど『レジャー関連』。
水素自動車の年内発売を見据えて国策としての『水素エネルギー関連』、統合型リゾート推進法案(カジノ法案)成立を睨んで『カジノ関連』、高齢化に伴う『介護・医療』、その福祉用も含めた『ロボット関連』。秋の学会を控えて『バイオ関連』、11月にも東証に上場する見通しの『LINE関連』・・・等々、物色の矛先が向かいやすくなります。
そして、もう一つの11月4日に行われる『米中間選挙』。これは種蒔きのタイミングを計るという観点から見逃せません。結論から申し上げますと、株式マーケットには投票日の前に一時的に下押しし、安値・底値を付ける傾向があります。
大切なのは、その下押し局面が4年に一度の絶好の押し目買い好機、安く仕込めるチャンスになっているということです。強力なアノマリーとして米中間選挙の翌年、すなわち来年となる訳ですが、その『大統領選挙前年の株は高い』という株価習性があります。第二次世界大戦後の1947年以降17回のケースで全てが上昇、かつ年間上昇率の平均は16%に上ります。
この理由は、与野党ともに次期大統領選での勝利を目指して、国力浮揚の政策立案に励むためと見られます。従いまして、投資戦略としては、中間選挙直前での下押し・もたつき場面があれば、その後の株高への絶好の仕込み場、4年に一度の好機との認識をもって前向きに対応したいところです。
暦の上では立秋を過ぎて既に秋。秋と申しますと「実りの秋」ですが、株式投資におきましても「秋に買って春に売る」、これが最も実りのある投資成果をあげるパターンです。