訳あって2012年12月に大手電機メーカーを退職しました。そんな中年男のリタイアメント日記です。
【アイス・バケツ・チャレンジ】
アイス・バケツ・チャレンジなる運動が爆発的に拡がりをみせているそうです。※1
これは、2013年にアメリカで始まったそうで(いかにもアメリカ的という気がしますよね!)、フェイスブックのM.ザッカーバーグや、ビル・ゲイツが行ったことで一躍有名となりました。
その趣旨は、'難病であるALSを知ってもらい、患者と患者団体を支援する’こと。とてもすばらしいことだと思います。実際、私は、この運動のおかげでALSのことを深く知るきっかけをもらいました。
ただ、socialcolor、この運動が拡がれば拡がるほど、どこかそら恐ろしく、とても気がかりなのです。
「この運動はすばらしい。だから指名されたものは実行するのが当然。拒否するのはおかしい」という、ステレオタイプ(物事を一面からしか見ない、型にはまった見方)な考えが定着してしまうことが。運動の趣旨はどこかへ行ってしまい、「実行するのは良い行い、拒否するのは悪い行い」という、’良い悪いの議論’にすり替えられてしまうことが。
以前、街頭で募金活動のボランティアの子供たちに「恵まれない人たちに募金お願いします!」としつこく迫られ、困ったことがあります。
私はどういった人たちが恵まれない人なのか、よく理解できないため、丁寧に募金しないという意思を示したのですが、周りの冷たい視線に何か自分がいけないことをしているような、嫌な気持ちになりました。この記憶が蘇ります。
本来、慈善運動や寄付といった行動は、あくまで自身の意志で行うもので、誰かに強制、強要(言葉が不適切かもしれません)されて行うものではありません。
ですが、この運動の場合、指名を受けた者は三者選択、それ以外の選択は原則できません。※2
更に、著名な人たちがこぞって行うことにより、計らずもその強制力が増します。また、ことが明らかに正論に思えるため、それを強固なものにしてしまいます。
どうかこの活動の趣旨が正しく理解され、本来の目的に沿ったものとなるように、拒否される方の不利益となりませんようにと願わずにいられません。
P.S.
socialcolorが指名されたらどうするかって?そりゃ、被りますよ、氷水。(何を隠そう、私、人一倍流されやすい人なんで。)
※1バケツに入った氷水を頭からかけている様子を撮影し、それをフェイスブックやツイッターなどの交流サイトで公開する、あるいは100ドルをALS協会に寄付する、あるいはその両方を行うかを選択する。そして次にやってもらいたい人物を3人指名し、指名された人物は24時間以内にいずれかの方法を選択する
※2氷水を頭からかけることや寄付をすることが強制ではないことには留意する必要がある、とされていますが、実際この状況で拒否できる人います?著名人なら、なおさらですよね。