あさっての投資家さんのブログ
竹、月、力の物語7
第七話:それは唐突に
三人と一匹、桃姫と配管工兄弟、海ガメは
お爺さんが桃姫を預かった(※洗濯機を投棄した)川辺りにたどり着きました。
すろとどうでしょう、川底が光に包まれたかと思うと、
なんと女神様(デメテル)が現れたではありませんか。もちろん、ムッキムキの。
わざわざ川に物を投げ込まなくてよかったね。
みんなも不法投棄はやめましょう!
女神デメテルは桃姫に優しく語りかけます。
「桃姫よ、立派になりましたね。」
「お母様、お会いできてうれしぃわ♪」
当初は(多少手荒な手段を使っても)女神様を説得しようと思っていた、配管工兄弟。
しかし女神様の美貌を見て考えが変わった様です。
「女神様、俺は配管工の毬雄。お初にお目にかかるぜ。」
「同じく配管工をする毬雄の弟、累二だぜぃ。
女神様のように美しい方に会えて筋肉が喜びに脈うってきたぜぃ!」
「美貌と肉体美。まさに究極の美と言えるぜ!」
嘘を見破る女神デメテル。
彼らの言葉に嘘は無い事を悟ります。
仮にお世辞だとしても、言われて嬉しくないわけがありません。
また彼らの鍛えられた肉体も含めて、二人をとても気に入ったようです。
「私も二人に会えて嬉しく思います。
それにしても素晴らしい筋肉ですね、二人とも。日ごろの鍛錬が伺えますよ。」
筋肉は友を呼ぶ。
三人はすぐに意気投合しました。
「ところで桃姫、このお二人とはどんなお知り合い?
私のもとに連れてくるなんて、恋人か婚約者か何かかしら?」
「え、違うわぁお母様。ただのぉ知り合いー♪」
桃姫はまたしても否定します。
「そうですか。こんな立派な(筋肉を持った)方々なのに、残念ね。
あなたさえ良ければどちらかを婿に迎えても良いのに。」
「うーん、色々な事をやりたいから結婚は今はいいかな。
まだ合コンとかしたいしぃ。」
それを聞いた配管工兄弟は残念がりましたが、
すぐに気を取り直しました。
「むぅ、残念だが仕方ないぜ。
そのうち桃姫に認められるように、筋肉を鍛えるぜ!」
「よぉし兄貴ィ!
俺も負けないぜぃ!」
それを聞いた女神デメテルは微笑みます。
「その意気ですよ、二人とも。
それでこそ私が認めただけありますわ。」
意気込む配管工兄弟。
それに女神様を合わせると…
「三人並ぶと、ちょっと暑苦しいかもぉ…」
彼らの肉体美は、桃姫にはちょっと理解できないようです。
「ですよね…。」
海ガメも同意。
これが初めて二人(一人と一匹?)の意見が一致した瞬間。
まぁ、常識的な意見なので当然かもしれない。
海ガメを見て、
桃姫は思い出した事があった。
「そーだ お母様、見て見て!
乙姫にお土産をもらったのぉ♪」
そういって桃姫はもらった小箱を取り出し、蓋を開けます。
するとどうでしょう。箱から煙が立ち上るではありませんか。
反射的にその煙を吸ってしまった桃姫は…
なんと眠るように死んでしまったのです。
続く!