コンビニ業界2位のローソンが、高級路線のスーパーマーケットを展開する
成城石井の買収を検討していると報じられています。
東京都世田谷区成城の果物店から出発した成城石井は、関東を中心に中部や
近畿圏で食料品主体のスーパーマーケットを110店舗展開しており、売上高
は518億円(12年12月期)、一般のスーパーとは違った成城石井独自の
品揃えを支持する消費者が少なくありません。
成城石井は過去に度々買収されてきた経緯があり、現在は投資ファンドの丸
の内キャピタルが成城石井の株式を保有しています。成城石井の買収に関して
は三越伊勢丹やイオンなども関心を示していたようですが、丸の内キャピタル
と同じ三菱商事系のローソンが成城石井の株式を500億円程度で買い取るこ
とで交渉を進めているとみられます。
ご存知のようにローソンは、コンビニ業界2位ではありますが、業界首位の
セブンイレブンの全店(約1万7千店)売上高3兆7812億円に対して、ロ
ーソンの全店(約1万2千店)売上高は1兆9065億円と大きく水をあけら
れています。※数値はともに2013年度
店舗を増やせば売上高も増えますが、国内のコンビニは5万店舗を超え、ほ
ぼ飽和状態にあります。
それ故にローソンは、「ローソンストア100」や「ナチュラルローソン」
など従来型のコンビニとは違う店舗の出店を進めており、その延長線上に今回
の成城石井の買収があり、さらには三越伊勢丹系列の高級スーパー「クイーン
ズ伊勢丹」(都内を中心に約20店舗)の買収も検討していると報じられてい
ます。
また、市場が飽和状態であれば、他社を買収して自社陣営に加えることで一
気に規模の拡大を図るというも手あります。
ユニーグループHDが子会社でコンビニ4位の「サークルKサンクス」の売
却を検討しているとの報道もありましたが(ユニー側は否定)、業界2位のロ
ーソンあるいは同3位のファミリーマートのいずれかでも約6300店舗、売
上高1兆0188億円のサークルKサンクスを傘下に収めることができれば、
売上高ではセブンイレブンに届かなくても店舗数では最大手に躍り出ます。