西武ホールディングス(HD)が二十三日、東京証券取引所第一部に株式を上場し、取引が始まった。グループ再編前の西武鉄道が有価証券報告書の虚偽記載で二〇〇四年十二月に上場廃止となって以来、約九年四カ月ぶりの市場復帰。初値は売り出し価格と同じ千六百円だった。株価は一時百円近く上げる場面があり、午前終値は千六百八十二円だった。初値での時価総額は約五千四百七十億円。
経営再建の大きな節目だが、筆頭株主で米投資ファンドのサーベラスは保有株の売り出しを見送った。いずれ高値で売り抜ける狙いとみられ、株価が低迷すれば経営陣にリストラ策を迫るなどの可能性は残る。
上場に伴い、農林中央金庫など四社が発行済み株式の計約8%を市場に放出する。サーベラスのほか、第二位株主で西武グループ創業家の堤義明氏が大株主のNWコーポレーション(東京)も保有を続ける。両社で50%超を持つため、当面は市場に出回る株式数が少なくなりそうだ。
西武HDは二十三日「お客さま、株主ら関係者の支援に心より感謝します。株主の期待に沿えるよう、企業価値の向上に努めます」とのコメントを発表した。
西武HD傘下の西武鉄道が六月上旬に記念の乗車券を発売するほか、プリンスホテルが四月二十四~三十日に宿泊客に五百円分の利用券を提供するなど、感謝セールを開催する。