Too Late! / menegue
3月25日にS&Pがブラジルを格下げにしましたが、債券市場では「何をいまさら」という受け止め方をされているようです。
ブルームバーグが電話取材した資産運用会社のCEOは、
「S&Pの格下げは後れを取った」
「1年前にブラジルを格下げしていれば、役に立つ情報が何か伝わった」
「かなり長い時間待たされたことで、何が起きているか皆が分かってしまった」
と手厳しい評価をしています。
ブラジルはルセフ大統領の経済失政によって進行したインフレをおさえるべく、8回連続利上げという思い切った金融政策をとってきました。この間、ブラジルのCDSは以下のように推移しています。
(出所:ブルームバーグ)
ブラジル中銀が利上げを開始したのが昨年の4月ですが、その後の6月頃からブラジルのCDSは急上昇し、その後は150~200の間で推移しています。これを見ると、金融市場がブラジルの信用リスクを認識しはじめてから既に10ヶ月程度は経過していることになります。先の資産運用会社CEOのコメントも、まさにこうした状況を評したものです。
ブルームバーグの指摘によれば、最近の米国・フランス・メキシコなどの格付け変更の際にも、格付け変更とは反対方向に市場が動いたこと、さらに統計的に1970年代以降の格付け変更の半分において反対方向に市場が動いたことが示されています。
もちろん格付け会社にしてみれば、格付け変更は慎重に検討しているでしょうから、どうしても市場の動きの追認になってしまい、結果として遅れをとることも多いのかもしれません。そういう意味では、格付け変更がされるタイミングは、逆張りの好機なのかもしれませんね。少なくとも、個人向け社債に対する投資を考える際には、格付け変更は事後追認的なシグナルとして、あくまで参考情報ととらえた方がよさそうです。
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遅きに失したS&Pのブラジルの格下げ-国債スプレッドが示唆
米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)によるブラジルの格下げを債券トレーダーは無視している。
S&Pがブラジルの信用格付けを投資適格級で最も低い「BBB-」に引き下げ後、ブラジル国債の米国債に対する上乗せ利回り(スプレッド )は拡大するどころか0.15ポイント縮小した。S&Pがブラジルを格下げ方向で見直すとした昨年6月以降、スプレッドはわずか0.01ポイントの上昇にとどまっており、現在は2.24ポイントとなっている。
こうした動きはブラジルだけではない。S&Pがメキシコの信用格付けを引き上げた昨年12月以降、米国債に対するスプレッドの縮小はわずか0.07ポイントにとどまっている。米国とフランスが2011年と12年に「AAA」格付けを失った後、借り入れコストは上昇せず低下した。ブルームバーグがまとめたデータによると、1970代以降の格付けとアウトルック(格付け見通し)の変更314件のうち約半数で、新たな格付けが示唆するのとは反対の方向に国債利回りが動いている。
マーケットフィールド・アセット・マネジメントのマイケル・ショール会長兼最高経営責任者(CEO)は電話取材に対し、「S&Pの格下げは後れを取った」と指摘。「1年前にブラジルを格下げしていれば、役に立つ情報が何か伝わっただろうが、かなり長い時間待たされたことで、何が起きているか皆が分かってしまった」と述べた。
S&Pは24日、ブラジルの信用格付けを「BBB-」に1段階引き下げた。緩慢な経済成長と拡張的な財政政策によって、政府債務レベルの上昇に拍車が掛かっていると指摘した。フィッチ・レーティングスとムーディーズはS&Pよりも1段階高い格付けを付与している。
(ブルームバーグ, 2014/3/27)