yuhsanさんのブログ
保有株の評価替え
今年から、売買益に掛かる税率が倍になりました。「源泉徴収あり」の特定口座で取引されている方にとっては、すでに儲けが大幅に減って、税の負担に驚いておられるのでは……。
「まあ文句を言っても仕方ない。今まで以上に稼いで税金払ってやるから!」
とばかり、頑張るのですが、なかなかうまく行きません。何しろ相手はヘッジファンドや、機関投資家。彼らの税金は従来通りで、いろいろの形での控除がある上に、大量の資金を高速の機械で処理するのですから、われわれ貧乏の個人が、かなうわけがありません。
せいぜい、現行の税制の中で、できるだけ税金を節約するより仕方ありません。それには面倒ですが、自分自身で確定申告ができる一般口座で売買する必要があります。年末には取引報告書をもとに、「計算明細書」を作成し、確定申告をしなければなりません。
そんなことから、今年から一般口座で売買する人が増えるのでは……。今日は、保有株の評価替えについてです。
すでに昨年末までに、増税対策として、持株の評価替えをやった人は多いのでは……。持株のなかで評価益のある銘柄を売却し、同時に同じ銘柄を同数買い入れます。売買の手数料が掛かりますが、確定申告して10%の税金を納めておけば、評価額(簿価)は上がっていますので、今年以降に売却するときは、20%の売却税金をその分だけ、減らすことができます。
今年はすでに増税になっていますから、何時売り買いしても、利益に20%の税金が掛かることには変わりありませんが、先送りすることはできます。特に、今年中に売買益が出ることが予想される場合には、今のような株価の安いときに、買値の高い (評価損の出ている) 銘柄を、同値で売り買いし評価損を顕在化しておきます。
この評価損で利益を相殺すれば、税金を払う必要ありません。ただ、値洗いした株については、買値(簿価)が下がりますから、売るときに下がった分だけ税金が増えます。税金の支払いを繰り延べただけのようですが、メリットはあります。
年末までに期待通りの利益が出ない場合でも、損失を確定申告しておけば、3年間繰越ができます。一方利益のほうは、一度払えば翌年損失が出ても戻ってきません。将来の損失を本年度の利益で相殺しておけば、この矛盾が解決できます。
株価の将来は誰にもわかりません。長期保有者にとっては、税金の支払いを先送りできる制度があれば、絶対に利用すべきです。ファンドは、年度末に投資資金を確定するために、有価証券の評価替えをやりますが、そのとき評価損の出ているものについては、必ず値洗いするといいます。個人もぜひこのメリットを生かしたいものです。
このときの問題点と注意点です。
1.売り買いは同一銘柄を同数・同値で行う。そうしないと値洗いになりません。
売り買いは成り行き、
前場寄りか後場寄り、
売りは現物、買いは信用、
で注文します。
売り買いが同値になるためには、成り行きしか方法がありませんが、それが可能なのは、「前場寄りか後場寄り」です。「売りは現物、買いは信用」は、売り買い同時にすると、売りは問題ありませんが、買いは相当分の現金を要求されます。現金を積むのも大変なので、売りは現物、買いは信用とします。
2.翌日信用で買い建てた玉を現引きします。
往復の手数料と1日分の信用取引金利分の現金が必要ですが、税金よりははるかに少ない費用です。現引き代金は、前日売却した株の代金を充当します。
この結果、売りと買いとの間に1日の時差が出ますが、これが税法上のメリットにもなります。税法上では、株価の取得単価は、「簿価に今回取得する価格を加えたものを、所有している株数に今回取得する株数を加えたもので割って算出する」、いわゆる総平均法を取っていますが、この場合買い入れ分を先にして、売ったものを後にすることになっています。
常識的に考えれば、売りが先になるのですが、税務署では、同日売買の場合、買いを先にして計算します。やってみればわかりますが、損失を確定しようとするのですから、簿価は高いほうが、損失額が多く出ます。ところが買いを先行させると、簿価が下がってしまい、計算上の損失額が少なくなってしまいます。
それを避けるために、売りと買いを1日ずらし、売りを先にします。
せっかく税金が上がって、われわれの儲けが、国のため社会のために、いっそう役立つようになったのだから……。
う~~~ん。節税なんて、チマチマしたこと考えないで、大いに儲け、パッパと使いましょう。そうすれば経済が発展し、暮らしも楽になるのですから。
なるほどね
損を確定して、税金を戻してもらう対策をとっておいて、
実際は同じ株数をほぼ同じ値段で持ってるので
上がれば儲けと
そうかぁーーー
お勉強になりました
おちゃちゃさん
こんにちは
そうなんですよ~~~
ともかく、一度払った税金は絶対戻りませんから、株が下がったところで一旦損を出しておいて、利益を相殺しておけば、20%の税金は払わなくてもすみます。
来年になって、また税金が10%に戻るかもしれないじゃないですか。
そのとき、先送りした分を、利益確定という手だってあるかも……ね。
コメントありがとうございました。