損害保険大手の損保ジャパン、日本興亜損害保険、あいおいニッセイ同和損害保険が七~十月に、主力商品である自動車保険の保険料を値上げする方針を固めたことが二十五日、分かった。四月の消費税増税で自動車の修理費や販売代理店への手数料といった支払いは増えるが、保険料は非課税で上がらないため、値上げで経費を転嫁する。
値上げ幅は平均1%台を軸に調整している。値上げは、NKSJホールディングス傘下の損保ジャパンと日本興亜がそれぞれ七月、九月に実施する。あいおいニッセイ同和は十月に値上げする方向で調整している。
他の大手損保は、東京海上日動火災保険が「値上げも選択肢の一つ」(役員)、三井住友海上火災保険が「当面は影響を見るが、いずれ保険料率の見直しが必要になる」(江頭敏明会長)と話しており、追随する可能性がある。東京海上日動は値上げするかどうかを三月末にも判断する。
ただ大手損保各社は二〇一三年にも保険料を平均1~2%値上げしたことから、二年連続で値上げすれば契約者から批判も出そうだ。
四月に消費税率が5%から8%に引き上げられると、東京海上日動を傘下に置く東京海上ホールディングスの支出は年間約三百三十億円増える見通しだ。NKSJも約三百億円、三井住友海上とあいおいニッセイ同和を傘下に置くMS&ADホールディングスも約四百億円増えると試算している。
消費税率が3%上がっても値上げ幅は1%台に抑える見通しだ。同乗者や事故の相手がけがをした場合に保険会社が支払う医療費などには消費税が課税されないほか、増税分の一部を経費削減で補うためだ。