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サヤ取り

ただのサヤ取りはリスクがありすぎる。

リスクでみれば、裁定<サヤ取り
しかしリターンでみれば、サヤ取り<裁定

(裁定というのはつまり同じものの値段が二つある場合、高いほうを売って安いほうを買って、同じ値段で決済すればリスク無しで儲かること。
サヤ取りは異銘柄同士の価格差の振幅を当てる手法。鞘の振幅だけを当てれば良いので、地合いの良し悪しから開放される。)

裁定では収益のチャンスが少なく、機関投資家などプログラムを組んで巨額の金を突っ込み小さい%ながらも確実に収益を得ているので、個人投資家が付け入る隙が少ない。

しかし、サヤ取りでは、異銘柄同士であれば買ってるほうの倒産リスクなどは常に存在するし、そもそも違う会社のファンダは明日には業態が変わり、トレンドが全く方向が変わっていてもおかしくない。

つまり、もし股裂きになった場合、それがそのときだけの単なる需給なのか、それまでと違う業態になったからトレンドが変わったのかなどの判断が必要になるし、ニュースとしてそれが出て分かったころには、とっくにこっちが破産してるかもしれない。

とくに異業種間のサヤ取りは、サヤ取りとして成立していないと思う。

銘柄間のサヤは適当に目を瞑って選んでも、存在する。二つの銘柄があれば、そこに鞘が存在する。
しかし、その鞘の振幅に一見規則性が見えるように思えても、単なる偶然に過ぎない。サヤの振幅の規則性に裏づけがないからだ。

サヤ取りというのはサヤの振幅に規則性を見出し、拡大から縮小に向かう確率が高いときに縮小に賭ける手法であり、規則性が裏付けられていないなら、単なるナンピンシステムである。ナンピンシステムは勝率が高いが、一回の大きい負けつまり無限ナンピンでどこまでも拡大するサヤの股裂きで、簡単に破産する。

ではどういったサヤ取りなら、倒産リスクが少なく、サヤの振幅に規則性を見出せて、単なるナンピンシステムといえないサヤ取りと言えるのか。

それはインデックス同士のサヤ取りだと思う。つまり指数同士のサヤ取り。

例えばトピックスと、225現物のサヤ取りは、誰でも出来て、かつ、勝率も高く、しかし期待できる収益は少なめだが、月に1回か2回くらいの収益のチャンスがあることが、サヤチャートを見ると分かる。

これが225現物と、225先物の“裁定”だと、ちょっと高度なテクニックが必要になったり(225現物とはつまり225銘柄同時に買うこと)、そもそも市場の誰もが注目するサヤは誰もが収益のチャンスを狙っていて、拡大してくれない。

例えば1306の225連動投信と、1321のトピックス連動投信のサヤ取りは、ともに日経平均に連動する銘柄で、しかも日経平均自体に倒産がないので、買ってるほうの倒産リスクが0になり、単なる個別株式でサヤ取りをしてるときのリスクを50%も一気に減らせる。

しかも相関が極めて高く、個別株式同士でサヤ取りをする場合の、どちらかが業態変化して違うトレンドになるリスクがない。裁定に近いサヤ取りと言えると思う。

しかしやはり収益のチャンスは多いほうがいい。そこでETF同士のような収益のチャンス不足をおぎなう方法もある。

例えば銀行ETFというものがあって、その名のとおり銀行銘柄に連動する。三井住友FGと、銀行ETFのサヤ取りは、もちろん相関が高い。SMFGが銀行以外の業務になる事はないだろうし、そもそもサヤのペアである銀行ETFはメガバンクであるSMFGの値動きに非常に影響される指数だから、トレンドが逆を向くリスクが非常に少ないはずだ。

もしもっともっとリスクを減らしたい場合、“銀行ETFとSMFG+みずほ”や、“銀行ETFとSMFG+UFJ”などでサヤ取りをする事も可能だ。これで限りなくETF+ETFになるだろう。

この場合の合成チャートなどの作成は多少難易度が高いと思うが、エクセルなどを勉強すれば自分でも出来るだろう。

つづくかも
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