雪国に生活している人は凄いと思った。
関東圏の人は、もうまいった。
朝、店までタクシーで通勤となった。
それも奇跡的に電話で捕まえたタクシーだった。
帰りは、最寄りの本厚木駅まで徒歩で帰った。
体中に吹き付けてくる雪で、
脳天まで寒さがしみ渡り、死ぬかもしれないと思った。
オイラの耳は、もう東証で、いや凍傷で腐りそうな勢いだった。
どこのタクシー会社に電話をしても、話し中だった。
本厚木から、海老名まで小田急線で移動し、
そこからタクシーあるいは徒歩で帰る覚悟だった。
が、いざタクシー乗り場で並んでみると、もう寒さと疲労で死にそうだ。
タクシーは、30分に1本くらいしか来ない。
オイラの前には、100人以上並んでいる。
「もう、ダメだ・・・」
そう思いながら辛抱して、数時間が経っていた。
オイラの後ろの並んでいた婆様も、もう限界なご様子。
そこへ、「用田経由・長後行き」
という電光掲示板のバスが、目の前を通り過ぎた。
しばらくオイラは、寒さで凍えきり、ボオーっとしていた。
が、「おいおい、これでなんとか帰れる」という声が聞こえてきて、
そのバスに駆け込んだ。
運がイイ。
用田辻までバスで行って、自宅まで歩くことになるが。
帰宅途中、暖かなネオンが瞬いていた。
「ヒラソウル」
スペイン語で、「ひまわり」という意味だ。
熱燗を飲まないと、もうオイラは死んでしまうという思いで、その扉を開くと・・・。
このあいだ逢った三浦しをんの友人だという、あのベトナム姉ちゃんが、
倅を連れてどんちゃん騒ぎをしているではないか!
「お前なぁ。。」
オイラがそう声を掛けると。
「こんな大雪の日に来るんか、あんた!、etc」
という、堪能な日本語が帰ってきた。
それは、こっちが言うセリフだと思ったが。
なべ物などご相伴に授かったので、余計なことは言わないでおいた。
オイラは独自に帰宅したが、
キャツらは、スペインママの自宅にお泊りらしい。
オイラなんぞより、キャツラはずっと付き合いが長いのもので。