日米欧のマクロ指標は悪くない、、というか良い。
それでECB、日銀、FRBの金融政策は緩和↓→方向の動きになっている。
結局、新興国は先進国の投資と先進国への輸出で持ってるのだから、先進国のマクロ指標が上向きトレンドで↓にいくわけがない。
先進国の金融緩和が不十分で、先進国景気が↓とならなければ、新興国におかしいことは起きない。
だから、最近の新興国不安は過剰反応と思う。
ただ、新興国経済は小さく、投機筋の標的になりやすい。 それが先進国のマクロ指標に悪影響を及ぼすようになれば、先進国の金融政策は緩和方向にカジを切らざるを得なくなるだろう。
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欧州は新興国投資バブルであり、新興国波乱で最も被害を受けるのは欧州だが、にもかかわらず欧州の金融緩和は日米よりも控えめであった。
FRBが直近会合で新興国に言及しなかったのはECBへの当てつけでもあるだろう。
新興国不安(新興国投資バブル)の元凶であり、かつ金融緩和余地が最も大きい欧州の金融政策動向が今後のカギになる。
今般の新興国不安、新興国資金流出不安の原因は欧州の新興国投資バブルにあるから、欧州の金融緩和拡大はもっとも根源的な解決策なのです。
新興国投資バブルでもない米国の量的緩和縮小が新興国不安の引き金のようになったのは、その前のECB利下げスルーがあったればこそ。
新興国不安=米国、、という図式は誤りであり、そういう見方では相場を見誤るのではなかろうか?
(補足) 投機筋の新興国攻撃、緩和催促相場で先に音を上げるのは新興国投資バブルがあり、不良債権問題を抱えた欧州、となる可能性が高い。
FRBが直近FOMCで新興国問題をスルーしたのは、そういう投機筋の攻撃を当面放置してもいいと思ってるからで、そこには欧州に不良債権処理を促す意図もあると思います。
実際、米国は何度も欧州に不良債権処理の促進を働きかけてます。 欧州のプライドを傷つけないようにかなり慇懃に進言してます。
そのたびに欧州は激しく反論して何もやろうとしてこなかった(自分たちには自分たちのやり方があるというわけです、、、不良債権の放置はやり方云々以前の単なる政治的、利権的な問題なのですが)。
米国は不良債権問題で欧州にまともに言ってもダメと分かったから、投機筋をけん制せず、放置し、市場に任せる方向に変えたのかも知れません。
この推測が正しければ(FRBのスルー姿勢からすると正しいかなと、、)、新興国不安はすぐには収束しない。 投機筋vsECBになるからです。
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当面は投機筋による催促相場が続き、ある程度長引く波乱になっていく可能性が高い。
それは、一番腰の重いECB vs 投機筋、、という図式になるからであり、新興国は投機筋への対応を誤る可能性が高いからである。
さて、波乱はあったとしても、先進国は不良債権残存時の金融緩和の重要性を理解してるので逆噴射政策とならず、世界景気の回復トレンドは不変で、企業業績は上向き継続でしょう。
直近、欧州から緩和拡大を示唆するコメントが出たのは興味深い動きです
(これにてユーロ安円高化。不良債権処理を促進するにせよ、放置するにせよ緩和拡大しかなく、放置ならばトータルでは一層の緩和拡大を要すでしょう)
(補足) 新興国が資金流出に利上げで応じるのは通貨安抑止、国内物価上昇抑止には良くても、国内企業の資金繰りを悪化させる。 利上げよりも財政出動と資本規制に重点を置いた対応を取るべきである。 しかし、現状は利上げに偏った対応を取っているし、それが続く可能性が高いと思う。
(補足) サブプライム、証券化バブルにケリを付けた米国ドルに対する円安進行は日米の潜在成長率格差もあり素直に納得できる。 一方、新興国投資バブル、不動産バブルの不良債権問題にケリがついてない欧州ユーロに対し、ここまで円安が進行してたのは不可解と思いませんか? 欧州の金融緩和はやはり不足気味なんだと思えます。 つまり、ドイツ中心の金融政策は無理があるのです。 ドイツ経済は巨大ですが、EU各国の潜在成長率の重心にはないからそうなる。