そら豆の株予報さんのブログ

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世界同時株安はゴールドマンのシナリオ通りか?その①

今回の世界同時株安の原因は複数あるが、やはり最大の原因は2週間前に当欄で指摘したゴールドマン・サックスの超弱気リポート(米国株は高過ぎるという内容)だと思う。

 そう推測する根拠を挙げる前に、市場で取りざたされている株価急落の悪材料を列挙してみよう。

(1)昨年末までに株式の買いポジションが積み上がり過ぎた
   (外国人投資家は日本株を去年15兆円買い越し)
(2)今年は去年のように世界経済を揺るがす大きな悪材料が観測されていなかった
(3)ゆえに投資家を含めて市場関係者は慢心して強気一色に近い状態だった
(4)そこにゴールドマンの超弱気リポートが発表された(10日)
(5)中国PMI(製造業購買担当者指数)が半年ぶりに50%割れ(23日)
(6)アルゼンチン・ペソが急落し、トルコ、南アフリカなど他の経常赤字国に波及
(7)FOMC(米連邦公開市場委員会)で追加の量的緩和縮小を決める可能性が高かった
 (29日に縮小を決定)
(8)FRB(米連邦準備制度理事会)の議長交代期に相場が大荒れとなるジンクスがある
(1987年のブラックマンデー、98年のリーマン・ショックなど)
(9)2月9日の都知事選が円相場を揺るがす大イベントに
(10)中国のシャドーバンキング(影の銀行)の2大商品の一つである信託商品が1月末にデフォルト(債務不履行)する可能性が浮上した(その後デフォルトは回避される見通しとなった)。

まだ消化し切れていない悪材料
 少なくとも、これだけの悪材料が複雑に絡み合って世界同時株安が引き起こされたわけだが、既に(10)の中国シャドーバンキングのデフォルト危機のように、未然に事なきを得た悪材料もあるし、(7)の米量的緩和の追加縮小も、株価にはほぼ織り込み済みの悪材料もある。

 こうした事情もあってか、直近の報道では「新興国不安」とか「新興国売り」が株安の最大の悪材料であるかのように伝えられている。米量的緩和の追加縮小で、新興国からは資金流出が加速しかねないとも言われる。

 しかしながら、通貨が急落したアルゼンチンや南アフリカ、トルコに誰が投資していたのかといえば、やはりその代表格はヘッジファンドだ。去年の5月にバーナンキFRB議長が米量的緩和の縮小開始を予告した時は、それこそブラジルやインド、ロシアなど、新興国の中でも主要国の通貨が急落し、98年のアジア通貨危機を連想させるほど新興国不安が高まった。

 ところが、今回は新興国の中でも2番手や3番手の国の通貨が急落しているだけで、新興国全体に通貨危機・金融不安が高まっているわけでは決してない。また、アルゼンチン・ペソが暴落したといっても、米量的緩和の追加縮小は既定路線であり、去年のバーナンキ発言ほどのサプライズは全くない。

14日のSQまで波乱が続く可能性
 前述した10個の悪材料の中で、株価がまだ消化し切れていない悪材料が二つだけある。(1)の株の買いポジションが積み上がり過ぎていることと、(2)のゴールドマンの弱気リポートだ。

 おそらく、今回の世界同時株安の原因として一貫しているのは、この二つだけだろう。ゴールドマンは世界のヘッジファンドの半分以上と何らかの取引があるといわれる。ヘッジファンドの胴元のような存在であるゴールドマンが「米国株は高過ぎる」と売りの旗を振っているわけだから、それに従うヘッジファンドもさぞや多いことだろう。

 アルゼンチン・ペソやトルコ・リラを売り崩したのはヘッジファンドだろうし、日経平均株価の乱高下もまたヘッジファンドが主導したとみて間違いない。98年のアジア通貨危機も、日本の金融危機も、やはりゴールドマンが黒子だった。

 そう考えると、ゴールドマンが売りの旗を降ろすまで、慎重に行動するのが無難と言わざるを得ない。ヘッジファンドの売り攻勢は月末、2月9日の都知事選、14日のオプションSQ(特別清算指数)を機に再び活発化する可能性があるが、そろそろ利益確定の買い戻しに動くファンドも増えるのではないか。

<株式新聞より>
その②ではゴールドマンのリポートの内容の紹介と、
そこから読み取る下値目処について、私の見解をば。
6件のコメントがあります
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    GSも今年の相場は下げるよ~と言っているのではなく、
    短期的には過熱感やPERなどからすると割高だとリポート。
    なので「高すぎない水準」を目標に仕掛けていると見れる。
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    suisinkaiさん
    2014/2/1 12:42

    いつも参考にさせていただいています。

    コミュでもおせわになっています。

    すごい考察力ですね!

    僕から見たらまるで雲の上の方です。

     

    ご教授願いたいのですが、

    株関連の資料集め等に参考にしているニュースサイト等などあれば是非お願いしたいのですが、、、

    お暇な時で構いませんので宜しくお願いします。

     

     

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    suisinkaiさん

    こんにちは。
    ここで書いてあるのは、株式新聞(有料)の記事の抜粋です。
    GSのリポートを気にしているプロのアナリストが他にもいましたから、
    この見方が徐々に増えていくのではと見ています。
    そうなれば、問題は半分以上解決したようなものです。

    で、私が見ているニュースサイトは皆さんと余り変わらないと思います。
    日経、ロイター、ブルームバーグ、フィスコ・・・

    無料で手に入る情報はやはりそれなりですので、
    私個人としては日経ヴェリタスをオススメします。
    1部500円、月に2000円掛かりますが、それ以上の価値があります。
    日本のことも世界のことも金融市場全体のことが理解できます。

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    suisinkaiさん
    2014/2/1 13:15

    忙しい中返信ありがとうございます!

    ふむふむ。。。なるほどです。

    株価チャート練習帳という本読んですこ~しだけですがテクニカル読めるようになってきたので、経済に関して勉強中だったのですが・・・ヴェリタスですか!

    自分への投資という意味合いで是非お勉強させていただきます。

    ありがとうございます!

    早速ヴェリタスに行って来ます!

     

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    suisinkaiさん

    金融市場はすっかりグローバルになって
    日本株も外国人投資家が半数以上を占めます。
    なので、世界的な金融市場の動向を理解しておくことが
    トレンドを掴む上ではとても大事だと私は思っています。
    それに加えて、テクニカルやファンダメンタルなど
    投資の基礎を身に付けておけば、
    投資効率が上がることは間違いないです。
    がんばってください(^0^)

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    suisinkaiさん
    2014/2/1 15:21
    そら豆様返信ありがとうございます!
    返信内容すらとても勉強になります。
    皆様と肩を少しでも並べられるようにお勉強頑張ります!
    わざわざ忙しい中ありがとうございます!
    m(_ _)m
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