中国指標の悪化をキッカケとして始まった
新興国通貨の暴落や世界的な株価の暴落について、
ヘッジファンドなど投機筋の仕掛け的な側面が強いと
日記では何度となく言っているが、
その根拠となるものを一つお見せしよう。
好不況の分岐点である50を下回ったことが
えらく重要視されているが、
添付したPMIの過去の推移を見れば分かるように、
昨年6~8月も50を下回っている。
皆さんには、昨年の6~7月に、
世界的に市場が混乱したという記憶があるだろうか。
確かに2ヶ月連続で50を下回るPMIが発表となった6月20日
NYダウは大陰線を描いたが、2営業日後には底を打ち
その後NYダウは14551ドル(6月24日)から
15650ドル(8月2日)へと1000ドル以上も上昇している。
最近では日本株と上海株との連動が薄れていたように
マーケットの中国経済への関心が薄れていた。
誰も世界経済の牽引役を中国に期待していないのだ。
なのに、今月に限り最重要指標のように取り沙汰されるPMI。
そして、大暴落している新興国通貨については、
QE3縮小が意識はじめた昨年頭から、既に通貨安は始まっている。
たとえば、トルコリラは昨年1年間で24%近く下落している。
1.7457USDTRY(昨年2月)⇒2.1599USDTRY(昨年12月末)
そして、通貨同様に株の世界でも
ずいぶんと以前から新興国からの資金流出が指摘され、
流出した資金は先進国(特にユーロ圏)へ流入、
去年は先進国が新興国を大きく上回るパフォーマンスだった。
そうとっくの昔から、新興国からは資金が流出しているのだ。
今に始まったわけではない
「中国の景気減速懸念」や「新興国から資金流出」について
今更ながらに大声で騒ぐのは、この騒動で儲けようとしている
ヘッジファンドなど投機筋の存在があるとみるのが妥当なのだ。
買われていた通貨が売られ出すのなら、流出を懸念した方がいいだろう。
しかし中国経済との連動性が強い豪ドルも随分と前から売られており、
株で言う所の空売りポジションが積み上がっている。
28・29日に開催されるFOMCでさらなるQE3の縮小を見越した
投機筋をメインとする仕掛け的な動きだ。
おそらく予定通りに100億ドル減額になったとしても
新興国通貨の売りポジションが積み上がっているので、
買い戻しによって新興国通貨は値上がりするだろう。
さらには、このまま世界的な混乱が続けば
FOMCがQE3のさらなる縮小を見送る可能性すら出てくる。
万一そうなると、100億ドル縮小をあてに仕掛けている投機筋は
思惑が外れ、大きな損害を食らうことになる。
かたや日本株、都知事選前に株安が進むのは自民党には大打撃だし、
景気の先行きが不透明になりつつある中では企業の賃上げも難しくなる。
日銀とて、これ以上株安・円高が進むとインフレ2%はさらに困難になり
消費増税前の追加緩和の観測が急浮上する可能性もおおいにあるだろう。
投機筋が仕掛けたこの大勝負、
叩けばまだいくらでも出てくる新興国リスクだが
そろそろラスボスの先進国中央銀行の姿が見え始めている。
新興国リスクという武器を手に
ラスボスに向かって突き進むのか、ここらで引き返すのか、
来週の相場の見所の一つでもある。
私の個人的な予想では、遅くともFOMCを過ぎれば
売りポジションの巻き戻しで新興国通貨や株は落ち着きを取り戻し
また上昇トレンドに戻っていくと思っている。
なので、来週の暴落は絶好の買い場だと捉えている。
以上、この妄想的な予想を持って来週の日本株の展望としたい。
※アナリストでもなんでもない一個人の予想なのでご注意ください。