昨日まで全然冴えなかった日経平均が
本日一時250円高と大幅上昇した理由は
昼の日記「前場概況と重大ニュース」に書いたけれど、
ウォールストリートジャーナル(WSJ)が朝に伝えた
次回のFOMCでQE3が750億ドルから650億ドルへ減少見込みという
ニュースをもとにドル円が急騰したことがキッカケだ。
1月のFOMCでQE3のさらなる縮小があるのかないのかが
市場の一番の関心事だったが、意見が分かれていたところに、
今朝のWSJのニュースが飛び込んできた。
さらには、そのニュースを書いた記者というのが、
かなりの的中率の高さを誇り、FRBのスポークスマンとも言われ
市場からも一目置かれている記者だったため、
信憑性が高いものとして市場が受け止めた結果が今日の東京市場だ。
LONDON時間の今現在も、
ドルが買われ、ユーロや円、豪ドルは売られ
ドル円は105円を目指そうとしている。
注目は、この後のNY市場で株がどう反応するかだが、
QE3のさらなる緩和観測が後退しない限りは
ドル円と日経平均は上方向を目指すことになるだろう。
明日の日銀決定会合で
追加緩和があることを期待している筋もいるだろうが、
昨日までの日経平均の値動きを見るに、
先回り買いよりも、裁定解消売りに押されていた印象が強く、
追加緩和を期待した買いの規模はそんなに大きくなさそうに思う。
なので追加緩和がなく失望売りが出たとしても
大幅下落ということにはならないと思われる。
それよりも、QE3縮小によるドル高(=円安)の方が影響力が大きいので
下げたところは押し目買いが入ると予想する。
しかし、今日の日経平均の上昇を
日経電子版やロイターがどのように伝えているか見てみたら、
日経では米紙の報道を受けてと一応書いている。
「米紙の報道を受けて米連邦準備理事会(FRB)による量的金融緩和の縮小が予定通りに進むとの観測が高まり、外為市場で円安・ドル高がじわり進行。歩調をあわせて日経平均は上げ幅を広げた」
しかし、ロイターでは、日銀の追加緩和を期待した先回り買いだと。
「21日の東京市場で日本株は反発、ドル/円も上昇している。前日までの反動もあるが、日銀の追加緩和期待を背景にした一部の海外勢による買いも入っているという。今回の日銀決定会合では政策据え置きとの見方が大勢だが、近い将来、追加緩和があるとの先回り的な思惑を背景に、株買い・円売りポジションを構築しているとみられている。」
他紙の評判を上げるような記事は書けないということか。
「QE3のさらなる縮小観測を受けた円安によるもの」か
「日銀の追加緩和を期待しての先回り買い」かでは、
明日の東京市場でのスタンスやこれからの投資方針に違いが出るのに。
夕方流れたフィスコのニュースではWSJの報道と記者について
きちんと書いてあったので、以下に貼っておくので読んでみて。
【為替】欧米為替見通し:WSJのFRBウォッチャー、ヒルゼンラス記者のテーパリング100億ドル予想
本日21日の欧米市場のドル・円は、安倍政権の成長戦略としての法人減税への期待感、日本銀行金融政策決定会合で異次元金融緩和第2弾が協議されるとの期待感から下げ渋る展開が予想される。
リスク要因としては、ウォール・ストリート・ジャーナル紙のFRBウォッチャーで、バーナンキFRB議長のスポークスマンと見なされているヒルゼンラス記者が100億ドルのテーパリング(量的緩和縮小)を予想したことで、ニューヨーク株式市場の動向を見極める展開となる。
ヒルゼンラス記者は、1月28-29日の連邦公開市場委員会(FOMC)でのテーパリング100億ドル(750億ドル⇒650億ドル)を予想している。
過去の予想①2013年5月9日、ヒルゼンラス記者は「米国連邦準備理事会(FRB)、年内の出口戦略の可能性」を警告した。
その結果①5月22日、バーナンキFRB議長は上下両院合同経済委員会で、「雇用市場の改善が継続すれば、今後数回の会合で資産購入のペースを縮小させる可能性がある」と述べた。
過去の予想②2013年12月中旬、ヒルゼンラス記者は、12月の連邦公開市場委員会(FOMC)でのテーパリングの可能性を示唆した。
その結果②2013年12月17-18日の連邦公開市場委員会(FOMC)では、100億ドルのテーパリング(850億ドル⇒750億ドル)が決定された。
連邦公開市場委員会(FOMC)の2名のタカ派とヒルゼンラス記者が、1月28-29日の連邦公開市場委員会(FOMC)でのテーパリングを示唆していることで、バーナンキ第14代FRB議長にとっての送別FOMCは、イエレン第15代FRB議長の負担を減らす会合になる可能性が高まっている。
<フィスコより抜粋>
※読みやすいように一部そら豆が変更してます。