今後何回かに分けて、ビジネスと株のトレードを対比して考えてみたい。
「金持ち父さん」についてのコメントはこれでお仕舞いにしようと思うが、この本の中ではビジネスと仕事・職業を区別している。仕事・職業とは日々給与等を得る目的で活動することであり、ビジネスを持つとは自分が活動しなくても収入を生み出してくれるもののことである。例えば会社を所有していても実際の運営はほかの人に任せていてもいいわけだ。お金を生み出す資産として金持ち父さんはビジネスを最初にあげている。
たしかに「あなたの仕事は何ですか?」とは聞くことがあっても「あなたのビジネスは何ですか?」とはあまり聞かない。
金持ち父さん流の定義は別として、一般的にいうビジネスと株のトレードには共通する点も多いのでこれを対比して考えることは株のトレードをうまくやっていくためにも有益ではないかと思う。
まず第一回ということで、何の場合でも先だつもの、資金について考えたい。
株のトレードを始めるために必要な資金のバリアーはかなり低い。普通どこの証券会社でも口座を作る費用は無料だし、送金にもお金は掛からないことが多い。一番少ない資金で買える株は1月10日時点ではマザーズの8925アルデプロ389円である。1000円以下で買える株は4銘柄ある。この情報はヤフーファイナンスの単元株価格下位のリストですぐに分かる。信用取引をするには最低30万円必要とされる。信用取引を続けるには資金量を30万円以上に保つことが必要なので、30万円+αの資金が実際には必要だ。
ビジネスを始める際に必要とされる資金は普通こんなレベルではない。会社登記をするためにはそれだけで40~50万円は掛かる。しかし、会社を興すことがビジネスを始める場合の必須事項ではない。副業的にしかもお金を掛けずにできるビジネスもあるのではないだろうか。このようなビジネスの例としてはアフィリエイト広告などがすぐに浮かぶけれど、お金を稼ぐことができるようになるまでにはかなりの教育投資がかかりそうだ。
自分が食べていけるだけのビジネスを始めようとすると、身近にあるラーメン屋などでも普通1000万円くらいの初期資金は必要とされる。うまくやれば100万円でも始められるという説もある。株のトレードもそれで食べていこうと思ったら、いくらの初期資金がいるだろうか。