yuhsanさんのブログ
バブルは何故に……
理屈がつかないほど株価が上昇し、弾けたあと社会的な悪影響が残る。これが私から見たバブルの定義です。日本では90年の資産バブルだけです。
90年以後、特定の業種や銘柄でバブル現象を引き起こしたのは、多々あります。2000年のITバブル、2006年の新興市場バブルなど。この業種の株価が短期間に大きく上昇し、合理的に説明できないほどに株価が上がり、やがて短期間に大きく下落しました。ただ、暴落の範囲が限られていたため、社会に大きな影響を引き起こさずに済みました。
2006年から07年にアメリカで起きた金融(プライムローン)バブルは、その影響が全世界のリスク資産すべてに及び、典型的なバブル現象を引き起こしました。日本市場では合理的に株価が説明できる範囲でしたが、弾けた後の株価下落と社会に与えた影響から、バブルといえないこともありません。
では、なぜバブルが起こるのでしょうか。
日本のEPSは、600~1,000円のあいだを動いていて、この何倍まで買うかによって相場が動きます。今期は、1,000円を越えるでしょうが、1,200円までは無理と見ています。というのも経済が発展し、企業収益が向上し株価が上がってくると、株式分割や増資などで、1株利益を薄めようとする動きが出てきます。そのためどこかの時点でESPは頭を打ちます。
ということでファンダ面から見る限り、日本の株価は20,000円付近で頭を打つのが一般的な循環です。これ以上は、合理的に説明できない領域になります。これがバブルで、それが弾けることでバブルと認識されます。
外国人が参加し、情報社会となった今日では、バブルにはならないかというと、そんなことはありません。原因は競合です。合成の誤謬といったほうが分かりやすいかもしれません。
昨年の後半の相場を考えて見ましょう。11月以降の上げは、指数銘柄が引っ張ったものでした。ユニクロ、ソフトバンク、ファナックといった日本を代表する超一流銘柄で、高くなる理由はあったにしろ、指数を引き上げるためにPER30~50倍まで買いあげられてしまいました。
結果として、取り残された銘柄あるいは業種とのあいだに、大きなひずみができました。このひずみは、値上がり銘柄が下がり、上がらなかった銘柄が引き上げられれば、全体株価はほぼ合理的な水準に収まるのですが。
ところがこの段階で、更に経済が発展するとか、新しい買い手が現われたりすると、上がった銘柄が下がらないまま、上がらなかった銘柄が、合理的でない水準まで引き上げられてしまいます。ユニクロのPERが50倍なら、ソニーもパナソニックも40倍までは買えるといった循環買いが起こります。ユニクロのPER50倍がいつの間にか正当化され、ソニーとパナソニックの40倍も合理的な水準とみなされてしまいます。
同じような循環物色が広がってくると、個々の銘柄には合理的な水準であっても、全体としてはおかしな結果になる……、つまり「合成の誤謬」になってしまうのです。PER全体が、20を超え30倍まで買われてもおかしくないといった理屈に変わってきます。90年バブルのときは、EPS680円に対して、60倍まで買われました。
そしてあるとき、先頭を走っていた銘柄に問題が発生し、急激な株価下落が起こると、この銘柄を基準として正当化されていた「はしご」が一気にはずされて、全体として株価が短期間に2分の1になるような「弾け」となります。
これがバブルのメカニズムです。
当然頭のいい証券会社筋からは、この現象に合理性をつけるために、いろいろ考え出します。90年バブルのときは、土地の値上がりによる資産価値を株価に織り込むために、Q値なる指数を考案しました。私はもしアベノミクスがバブルになるとすれば、それを説明する鍵は配当利回りとみています。
だんだんバブルのことを知っている人は少なくなり、買い手も外国人から日本人に移り、指数より個別銘柄を物色する動きが活発になってきました。いよいよバブルの条件は整ってきました。いつなんどきバブルになってもおかしくない状態です。あの時は、二番手銘柄を待ち伏せ買いしておけば、だれでもいつでも大儲けができました。
平均が20,000円を越えるあたりから、バブルに備える必要があります。弾けに備えるのではなく、一段の上昇に備えて二番手銘柄の発掘に努めるのです。この動きについていけないと、一生に一度しかないチャンスを逃すことになります。
以上が、「大相場はバブルで終わる」という格言?からヒントをえた「初夢」のストーリーです。
「さあ明日から、また頑張らなくては!」
yuhsanさんこんばんは。
私は投資家としてバブルを経験していないので大変参考になりました。
それにしてもPER60倍とは凄いですね。
そういえばバブルの頃、会社の先輩が株で大儲けして
大阪の梅田にクラブを出店したという話を聞いたことがあります。
今なら事業資金として数十億円は必要だと思いますが
ここまで来ると羨ましさを通り越して恐ろしいというのが正直な気持ちです。
私も一度くらいそんな思いをしてみたいのは山々ですが
性格は楽観的なくせに相場観は悲観的なので
日経平均20000円すら夢の様な話に聞こえてしまいます。
ただyuhsanさんが日記に書いておられる
「いよいよバブルの条件は整ってきました。
いつなんどきバブルになってもおかしくない状態です。」
この言葉に少し勇気付けられた気持ちです。
残念なことに今年の東京市場はスタートで躓いてしまいましたが
個人的には相場の行方をじっくり見極めながら
今年の投資をスタートさせようと考えています。
今年もいろいろ勉強させて頂きたいと思いますので
ご指導のほど宜しくお願い致します。
kabukabumanさん
おはようございます
コメントありがとうございます。
バブルの話は、初夢の話にしておいてください。ただ中身は事実です。
私も毎晩浮かれて、若い子を連れてクラブを練り歩いた楽しい夢があります。
その点、今の人は妙に現実的で夢がなさ過ぎます。
ところで相場のほうは、指数銘柄が調整し、出遅れていた銘柄が上げるという好循環に入ってきました。そういう意味から、今回の調整は、よかったと思います。
やはり走りながらの運転手の交代は、無理があったと思います。
これで、今年前半までにバブルの可能性はなくなりました。バブルの夢は、来年まで持越しかもしれません。