(年始のご挨拶)2013年の個人向け社債を振り返る



2014年明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

新年最初の記事として、
昨年2013年の個人向け社債の発行状況についてまとめておきます。


(1)個人向け社債 通貨別発行件数
(2)円建て個人向け社債 利率 トップ10
(3)証券会社 個人向け社債取り扱い件数 トップ10

(1)個人向け社債 通貨別発行件数


昨年、本ブログでとりあげた個人向け社債のうち
発行日/受渡日が2013年だった社債の件数は
円建て+外貨建てあわせて425件でした。
土日祝日および年末年始(12/29~1/3)を除く金融機関の営業日が245日でしたから
一日平均で1.73件取り上げたことになります。


発行通貨別の販売件数と、そのうち本ブログで
「好条件」としたものの比率は以下のようになっています。


通貨販売件数好条件件数好条件率
メキシコペソ912325.3%
豪ドル615183.6%
ブラジルレアル6123.3%
日本円571628.1%
トルコリラ451942.2%
米ドル321134.4%
南アフリカランド282589.3%
ロシアルーブル261661.5%
NZドル191578.9%
インドネシアルピア22100.0%
ユーロ100.0%
ハンガリーフォリント11100.0%
ルーマニアレイ100.0%


オーストラリアドル建て債券と南アフリカランド建て債券は
比較的好条件な個人向け社債が多かった一方で、
特にブラジルレアル建て債券はほとんど好条件なものがなく、
円建て債券、アメリカドル建て債券で好条件な社債は、
おおよそ3件に1件にとどまりました。
2014年は好条件な社債がたくさん販売されることを期待しましょう。

(2)円建て個人向け社債利率トップ10


円建て個人向け社債の利率を見ると、以下がトップ10となりました。
同じ発行体から発行された同条件の社債は一つとしてカウントしています。



順位銘柄償還年数利率
1新生銀行第5回期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)5年~3.59%
2SBIホールディングス株式会社第5回無担保社債3年2.15%
3新生銀行第6回期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)5年~2.02%
4ソフトバンク株式会社第43回無担保社債5年1.74%
5東北電力株式会社 第470回社債(一般担保付)10年1.55%
6第29回SBI債1年1.55%
7第30回SBI債1年1.52%
8第30回 個人向けマネックス債第31回 個人向けマネックス債第32回 個人向けマネックス債5年1.50%
9ソフトバンク株式会社第41回無担保社債4年1.47%
10池田泉州銀行第6回期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)5年~1.35%


2013年最大のトピックはなんといってもソフトバンクが発行した
総額7,000億円の個人向け社債です。
これに機関投資家向けの社債も含めると、
ソフトバンクは2013年だけで8,200億円の社債を発行しました。
現時点ではソフトバンクの有利子負債は約9兆円ですが、
今後さらに米携帯電話4位のTモバイルUS買収に向けて
2兆円の資金を米社債市場で調達する予定という報道もあり、
その場合には有利子負債は約11兆円に増加することになります。
今年もまた個人向け社債の発行はあるのでしょうか。

11月頃を底に金利も上昇傾向にありますので、
今年は少しでも好条件な個人向け社債が販売されるとよいですね。


(3)証券会社個人向け社債取り扱い件数トップ10

次は、2013年に各証券会社から販売された個人向け社債の件数トップ10です。
円建て個人向け社債+外貨建て個人向け社債でのトップ10と
円建て個人向け社債のみでのトップ10を併記します。
括弧内は販売された個人向け社債の件数です。



順位円建て債券+外貨建て債券円建て債券外貨建て債券
1大和証券 (73)大和証券 (32)野村證券 (42)
2野村證券 (63)SMBC日興証券 (26)SBI証券 (41)
3みずほ証券 (57)みずほ証券 (24)大和証券 (41)
4SMBC日興証券 (51)野村證券 (21)岡三証券 (35)
5SBI証券 (50)三菱UFJモルガン・スタンレー証券 (18)みずほ証券 (33)
6岡三証券 (47)岡三証券 (12)三菱UFJモルガン・スタンレー証券 (26)
7三菱UFJモルガン・スタンレー証券 (44)東海東京証券 (12)SMBC日興証券 (25)
8SMBCフレンド証券 (30)SBI証券 (9)SMBCフレンド証券 (24)
9マネックス証券 (28)マネックス証券 (8)楽天証券 (22)
10東海東京証券 (25)東洋証券 (8)カブドットコム証券 (21)


「円建て債券+外貨建て債券」および「円建て債券」では大和証券が、
「外貨建て債券」では野村證券がトップになりました。
2位は、円建て債券はSMBC日興証券、
外貨建て債券はSBI証券となりました。

円建て債券はやはりオフライン大手証券5社の牙城はゆるぎないですね。
一方で外貨建て債券は、ネット証券最大手のSBI証券が2位に、
準大手の岡三証券が4位に食い込むなど、
大手証券5社の独壇場とは行かなくなっています。

円建て個人向け社債市場では、
やはり全国に店舗網を持つオフライン大手証券に募集が偏りますので、
低コストなネット証券の存在感はまだ十分とは言えません。
そうした中で、マネックス証券は、自社で過去に取り扱った円建て債券について、
既発債で利回り1%超の社債を頻繁に販売するという、
独自の商品展開を工夫しています。
今後も、SBI証券や楽天証券などにも、
同様な商品展開が広がっていくとありがたいですね。

2014年に向けて


2013年は、アベノミクスの影響で株式市場に活気がある一方で、
日銀の異次元金融緩和によって債券市場に資金が潤沢に流入し、
国債や高格付社債のみならず、BBB格のような低格付社債まで利回りが低下、
個人向け社債も利回りは全般的に低めでした。

2014年は、いったいどのような一年になるのでしょうか。
債券市場から株式市場に流入して利回りが上昇するようなことがあれば、
円建て債券にまとまった買いを入れてもいいかもしれません。
個人的には10年国債が1%を超えるかどうかに注目したいと思っています。
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