今年も、後2週間ちょっととなりましたが、そろそろ今年を総括し、来年に向けての思いを馳せる時期となりました。
年初10,505円で始まった今年の株価は、5月21日にザラ場で15,943円の高値をつけるまで急上昇し、その後20%程度の調整を入れて、現在は高値近辺にあります。後10日の営業日がありますが、今年は10年間続いた証券税制の最後の年に当たり、利益確定の売りが出やすいところから、年内に今年の高値を抜けるかは微妙なところにあります。
ともかくも、年間平均で5割上がったわけですから、ほくほく顔で新年を迎えたいところですが……。
どうも冴えません。
平均が5割も上げた年は、1990年のバブル崩壊以降ありません。1999年のITバブルのときが37%、小泉改革の2005年が40%ですから、今年の年間騰落率は記録に残るものとなるでしょう。更にいえば昨年末の総選挙前日の株価を基準とすると、実に78%も上昇しているのです。短期間にこれだけ上昇した相場は、少なくとも私の記憶にありません。まさに有史以来の大相場だったわけです。
ところが私の持株上昇率は、年初から30%程度です。どうしてこんなに低いのでしょうか。
私の投資法は株の配当取りを目的とした長期投資です。相場のサイクルに合わせて、底値期に相場のテーマ業種から銘柄を選択し、7~10銘柄程度でポートフォリオを組みます。相場をチェックしながら、信用取引でレバレッジをかけ、大きく値上がりしたものを売り、持ち株を買い足し、キャッシュを置かないことで、安定した配当収入を得るというものです。
短期投資はせずにキャッシュは持たない方針なので、相場の上昇期には、平均よりいい運用になるはずだったのですが……。
なにもしないで、ETFを買って寝ていた人に負けるとは。悔し~い。
安倍政権が誕生した昨年末に建てた安倍内閣の相場は、4年の間に2万円を付けるというものでした。ただ、今年は6月までに15,000円をつけるものの、これが年内の高値と見ていました。相場の読みは、まあまあでしたが、銘柄選定とポートフォリオの組み方で失敗したのです。
今年のテーマ業種としては、インフレ、復興、資源、インフラ輸出を選び、これにあわせてポートフォリオを組みました。アベノミクス第一幕の5月までは順調でしたが、6月以降の調整期に入ると、新興市場の小型株が相場の中心となり、テーマ株はむしろ調整期に入ってしまいました。
代わりに活躍したのが、新興市場株を中心とした中小型株でした。これらの株は、長い間の調整期を経て、収益力を身につけてきたことや、変化率の高さから株価の適正水準が掴み難く、値幅が取りやすかったことなどから、大きく値を上げました。
これらの中には、いつの間にか日本経済を引っ張っていくような業種に変貌を遂げたものもあったようです。結局この流れの変化を読みきれないまま、ポートフォリオを変えることもなく、平均から大きく取り残されてしまいました。
私は、日ごろから「平均では駄目です」といい続けてきましたから、この一年の運用成績は最低です。ファンドマネジャーだったら恐らく首になるところでしょう。
とはいっても、信用取引ではここ数年来の儲けになっていますし、配当金総額も昨年より増えていますし、キャッシュフローでもファンドからの受取りが増え、非日常的な支出に当てることもできました。
まあ、この欄でも華々しく活躍した方のうちで何人かは落伍していますので、生き残っただけでもいいと思って諦めていますが。