おそらく、今日でニッセンのことを書くのは最後だと思いますので、値動きを振り返ります。
ニッセンホールディングス(8248)12月4日5分足チャート
12月4日の昼間の相場で、株価がTOB価格410円を超えてしまいました。黄色の線がTOB価格410円のラインです。本日の取引ではTOB価格を超え、477円の高値(80円ストップ高)まで値上がりしています。終値ベースでも419円とTOB価格を超えています。
出来高の異常な増え方を見ると、いわゆる「祭り」が起きたようです。子会社のニッセンはもちろんのこと、親会社となるセブン&アイ・ホールディングスの両社は知名度が高いために注目され、短期の投資家が集まったようです。理屈うんぬんじゃなく、値動きの激しい銘柄で利ザヤを稼ごうとデイトレードを行う。こんな感じでしょうか。
ニッセンホールディングス(8248)日足チャート1カ月分
こちらは日足の過去1カ月分です。TOB前後を黄枠で囲っています。画像下の棒グラフは出来高です。異常に増えている様子がわかります。チャート右端の十字に見えるローソク足が今日の取引です。上ヒゲが長い陰線となりました。通常、このようなローソク足が高値圏で出ると、この先は値下がり傾向となります。
ところが、ニッセンはTOB銘柄です。そういう基本は当てはまりません。これから上がるかもしれないし、横ばいかもしれない。TOBはチャート分析よりも株価に与える影響度が高いです。
以下、マニアックな内容となります。興味のある方のみご覧ください。希薄化(きはくか)とは何か?
某掲示板で希薄化のことが書かれていました。レベルが高いですね。勉強になります。ついていくのがやっとです(間違ってたらゴメン)。
ニッセンホールディングス(8248)のIR情報
第三者割当による新株式発行に関するお知らせ
希薄化とは、味の薄いカルピスのことです。カルピスの原液に当たる部分が「ニッセンが稼ぐ利益」、水に当たる部分が「ニッセンの株数」になります。
ニッセンは、セブン子会社に対して、増資を行うと発表しました。ニッセンは、自社株を増やしてセブン子会社に購入してもらうとのことです。その資金で借金返済をすすめるようです。
ただし、この増資には条件がありまして、↑のTOBと関係してきます。
セブン子会社は、TOBで使う資金と増資の資金を合わせて、ニッセン全体の50%までと制限を設けています。つまり、TOB参加者が多ければ、TOBで使う資金の割合が大きくなり、TOB参加者が少なければ、増資で使う資金の割合が大きくなるという仕組みです。
わかりにくいの図で説明。
(A)株価>TOB価格410円・・・今の状態
TOB前の株主:大株主30%、その他投資家70%
TOB後の株主:セブン子会社50%(うち、大株主経由30%、増資20%)、その他投資家50%
(B)株価<TOB価格410円
TOB前の株主:大株主30%、その他の投資家70%
TOB後の株主:セブン子会社50%(うち、大株主&その他投資家から購入50%)、大株主&その他投資家50%
(A)の場合、株価がTOB価格を超えているので、大株主以外はTOBに参加(応募)することはほとんどないでしょう。そのため、セブン子会社は大株主から購入するだけでは、ニッセンを連結子会社にする50%超に達しません。
その足りない部分は増資でまかなおうというわけです。そうすると、増資した分だけ、ニッセン株の総数が増加します。これが希薄化です。
(B)の場合、TOB価格が株価を超えているので、多くの投資家がTOBに参加(応募)してきます。応募が50%を超えるでしょう。そのため、セブン子会社は、TOBだけで50%を集めることができます。大株主は持ち株を全て売れないかもしれないですが、ニッセン株の総数は増えません。
株数が増加して希薄化すると、1株当たりのニッセンの利益額が減ってしまいます。そうするとPERも高くなり、株価の割安感もなくなります。中長期投資家にとって、うれしくないことです。
では、どうするかと言いますと、ニッセン株を持ち続ける予定の中長期投資家であれば、希薄化にならないようにするには、(B)になることを祈ります。
仮に(A)になったとすれば、セブングループがニッセンの価値を高めてくれることを祈ります。
どちらの祈りも通じないと思えば、今の株価でニッセン株を売り払ってしまいます。これが正しい選択かもしれません。