たとえば、貨幣は電化製品です。
本日発売された最新のスマートフォンとしますと、本体価格は6万円ですが、
通常は24回の分割で月々の通信費に足されて請求されます。
2年経過で本体の返済が完了して、 2,500円安くなるはずです。(60000円÷24ヶ月=2500円)
しかし結局は、内部メモリーが容量オーバーになるか、リチウム電池の充電機能低下で、
新製品を購入するサイクルになる可能性が高いのですが。
6万円の本体は2年で償却され、本体価値もかなり減価されるのが普通です。
と言うことは、貨幣=物(スマートフォン)とすると、2年経過すると貨幣の価値もどんどん減価するのが正常な信用貨幣社会の姿です。
貨幣=物質、労働を原則に、社会の信用制度を構築すると、デフレ経済は貨幣価値が上昇するいびつにゆがんだ社会と言うことになり、現実にはありえない世界です。
又、
10,000円紙幣は25円前後の原価で出来ていますから、単純に引き算すると、
10,000円-25円=9,975円 のシニョリッジが発生して、政府や日銀は大もうけすることになるのだが、そうは行かないのが、現実社会です。
通常のバランスシートには紙幣発行は負債になり、利息や国債が資産になります。
とにかく、中央銀行が信用債権(貨幣)を発行して市場にばら撒いても、
商品を購入したり、労働力との交換がなければ、利益に結びつかないと言うことです。
この原則が十分理解されていれば、貨幣を抱えて預金していても金利以上に物価が上昇し、
貨幣価値は日々劣化してゆくことへのリスクヘッジに株式市場があることに気づくのです。
進化とは、今日作ったものが明日には古くなることを運命づけられた社会に起こる現象です。
明日に向かって進化や変化を恐れない企業が生き残り、企業価値を高めていくので、
投資家の正しい心眼が勝利の条件となります。
ちと堅い話になりましたが、大変重要な視点ですので自戒の意味もこめて書いてみました。