米エネルギー省は15日、米フリーポート社がテキサス州に保有する液化天然ガス(LNG)施設からの輸出拡大を条件付きで認可した。
米国では自由貿易協定(FTA)締結国以外への天然ガス輸出にはエネルギー省の認可が必要。今回の認可はFTA締結国以外への輸出認可として2011年以来5件目となる。
同省は5月17日にフリーポートに対し1日当たり14億立方フィートの天然ガス輸出を許可。規制当局の承認を得られれば、追加的に4億立方フィートの輸出が条件付きで可能になる。
業界団体の米国石油協会(API)はエネルギー省の決定を歓迎するとし、モニーツ・エネルギー長官に対し、早期に他の輸出プロジェクトも認可するよう要請した。
同協会のディレクター、エリック・マリト氏は、「LNGを輸出することで、米国の貿易赤字を大幅に引き下げ、経済成長と雇用を支援することができる」としている。
一方、製造業部門からはLNGの輸出拡大により国内価格が上昇し事業が圧迫されるとの懸念が出ている。
製造業者などの業界団体、アメリカズ・エナジー・アドバンテージのジェニファー・ディギンズ会長は、価格が最大3倍に上昇する可能性もあると指摘、
「無規制のLNG輸出は米国の製造業の再生を妨げる恐れがある」と警戒感を示した。