日本の世論はとかく世界のために、という論説を大真面目で張りがち。 国民もそう思いがち。
しかし、こういう考えは敵国を増やし、自国のクビを締めると同時に、中長期的に世界に大きな災いをもたらす。
他国、周辺国に奉仕しまくり、譲歩しまくるから、モラルなき発展途上国はモラルなきまま強大化し、日本くみしやすしで敵対姿勢を強めるので必然そうなる。
モラルなき発展途上国が、モラルなきまま強大化するから、必然、世界的な騒乱も起きやすくなる。
自律的経済発展はモラル向上、賢さアップがなければ成しえないから、援助しまくらなければ、モラルなき強大国は生まれず、不要な大規模騒乱も起きないのに、、、(--;
そういうミスを日本国、日本国民(日本の国士たち)は戦前、対朝鮮、対中国で繰り返し行ってきました。
朝鮮の近代化に協力した揚句、中国・日本をまたにかけたカラス外交をされ日清戦争に追い込まれ、日清戦争後も日本の融和的態度がロシア・日本を天秤にかけたカラス外交を可能にして日露戦争に追い込まれた。
揚句、遅れた朝鮮を合邦し近代化してあげるお人好しを行い、そこでも大きな本土負担が生まれた。
さらに、日露戦争後の対中融和外交が中国の(ロシアから得た満州鉄道周辺の)日本資本排除行動を惹起し(当初は、満州からソ連排除姿勢だった中国が日本の弱腰を見て反日に転じた)、満州事変に追い込まれた。
満州事変後の日中戦争も同じ流れで拡大し(中国は日英など列強敵視から反日に集約転化)、収拾がつかなくなって、対米戦争に至った。
いずれの戦いも日本が軍事力、継戦能力ではかなり劣勢で、対米戦争まで勝ち続けられたのはど根性と強運があったから。
、、、つまり、日本の融和的姿勢、是々非々を貫かない姿勢は仲間を増やすどころか敵を増やし、国民負担を増やし、国民の安全を損ないつつ、世界的騒乱を拡大させていったのです。
もし、日本人が自国の長期的持続的利益を考えていれば、朝鮮援助などせず、朝鮮王朝は自然衰退しカラス外交を展開するほどの力は持たず、搾取するものがない国、支配しても損な国になり、日本は自国の強大化に専念でき、朝鮮を緩衝地帯に出来た(朝鮮は東南アジアにおける戦前タイと同様になった)。
朝鮮は自国の努力不足の帰結として当然貧しいが、戦場になることもなく、列強や三国のパワーバランスで日本、中国、ロシアの戦争も回避出来た。
逆に朝鮮が自律的近代化を行えたならば、朝鮮はこのパワーバランスの輪に加わり、紛争回避が出来たでしょう。
背後に中ロの圧力が直接かかる朝鮮にとっては日本との同盟強化が必須だからです。
日本をつぶして中ロとカラス外交という選択は、弱肉強食論理の中ロに対しては、中ロの連携侵略を招くだけからです(弱い方からつぶすセオリーに忠実なのがロシア、中国などの伝統的外交。 軍事論理優先の前近代世界で大国になるほど発展し続ける国は皆、このセオリーに忠実)。
だから、自律的に経済発展できるほど賢くなり、自国の利益を徹底追及するようになると、朝鮮には日本との同盟強化という選択しかなくなるのです。
さて、戦後も日本は対韓国、対中国、対ASEANで同じミスを繰り返し続けている。 融和外交で自らを追い詰めた揚句、紛争、戦争に追い込まれるリスクは今も大きい。
(日本では散発的小報道だったので、すでに忘れ去られたか、気が付いてない向きが多いが、中国発展前の90年代バブル崩壊後は、ASEAN諸国の日本潰し行動もひどかった。 軍拡と日本のシーレーンに対する威圧的言動、進出日本企業から設備と技術を奪ったうえでの追い出し行動(@マレーシア。対中小企業にとどまったが早晩、大企業にも拡大する可能性があった)、日本企業への代金未払い等々。 日本が融和外交から脱却出来ねば、中国脅威が去った場合、同じことが繰り返されるでしょう)
日本と世界の安定的持続的発展のためには、エゴの徹底追及=長期的な自国益の拡大、、そういう考えを堅持することが必要。 エゴは長期的視点で徹底追及すると全体益とおのずと一致してしまうからです。
(補足)日本政府、日本世論のお人好しが無くならない以上、新興国進出企業は常に大きなリスクにさらされる。 リスク抑制措置、リスク分散は必須。
(官僚は政治の圧力が無い限り、基本、自分の省庁の利益につながらないことには怠惰なので、官僚支配国家・日本が新興国進出企業を強力に守ってくれることはない。 特に官僚出身母体たる東大(日本国民には一種の「身分、階級」と盲信されてるのでお公家的)は左翼思想、融和思想(空想的平和主義)の影響が依然強いので、この点からも強力なバックアップは期待できない)
(補足) 日本国民は日本国内でも同じミスを繰り返している。 それが左翼勢力(社会党、現在の民主党、そして近い将来の維新の会?)や利権勢力(自民多数派)の勢力増大になり、官僚支配強化になり、日本低落を招いている。