最近、議論になっている秘密保護法案。
この自民案は非常に問題がある。
一番の問題は秘密の範囲を限定しているところ(『秘密』指定に膨大な指定条件をかませている)。 これがこの法案のミソ。
秘密の範囲を限定してるから国民にとって望ましい、と思うのは浅はかです。 実はその逆。
秘密の範囲を限定し、秘密の指定条件を膨大なものにするとどうなるか?
(国民の代表たる)政治家だけでは秘密を決めきれなくなる。
膨大な指定条件をチェックするのに官僚機構に依存せざるを得なくなる。
そのうえ、秘密指定を首相同意不要で閣僚が行うようになっている。
そうなると、各省庁の官僚が勝手に秘密を決め、それを族議員の閣僚がチェック無しで同意する、、こういう状況になってくる。
膨大な指定条件を閣僚はチェックしきれないので、官僚の上げてきた秘密をそのまま認める、、、こういう事態が多発するでしょう。
つまり、選挙の洗礼を受けない官僚が秘密を勝手に決めまくるやりたい放題の状況が生まれるわけです。
役所のもつ情報は国民の税金を使って国民から得られたものなのに、その情報を選挙の洗礼を受けない官僚が自由自在にコントロール出来る状況にもなりかねない。
これでは官僚独裁国家である。
さらに問題なのは守秘機関を30年としている点。
30年にもしたら不正に秘密を作った官僚はすでに死んでいる可能性が高い。
これでは食い逃げ。
日本をスパイ天国でなくすために秘密保護法案は非常に重要。
しかし、今の秘密保護法案はそれを逆手にとって官僚天国を徹底的に強化するものになりうる。
秘密保護法案が国民益に適うようにするためには、、、
秘密の範囲を限定しない。
(民意で選ばれた)政治家が決める。
(官僚に支配されやすい閣僚でなく)首相が最終的に決定する。
秘密指定の解除、継続は首相が変わるたびに首相が決定する。
、、、こうすることです。
こうすれば、不正に秘密指定しても次の政権で早期にあばかれやすくなる。 国民益に即し秘密にすべきものを明かした政権も叩かれる。 で、本当に必要な秘密は民意を受けた政権によって永続化されるようになる。 つまり、政権を介して秘密指定や守秘期間に国民益、民意を反映させることができる。 (特権官僚の意のままにならず)国民益に即した秘密指定が成されるようになる。
秘密範囲の限定は官僚の深謀遠慮。
それを積極的に進めるのは官僚援護射撃か、官僚の術策にはまってるか、、どちらか。
安倍政権も野党も官僚の術中にはまっている(民主党は政権時代にセンゴク事件発生後に秘密保護を強化した前歴がありますから、自らはまりにいってる可能性もありますが、、、官僚を援護射撃)。
情報が一部の人間の意のままに操られるのは投資家的にも非常に問題ですねえ、、、(--;
(補足) 政治家が扱えない複雑な制度にして、官僚のやりたい放題の状況を作る、、、これは官僚のワンパターンの手口です。
(補足) 何が国民益に即して秘密にすべきものかは、時代、情勢によっていろいろと変わりうる。 だから、秘密範囲を予め限定すべきではない。 限定しなくても、(民意を受けた)政権交代のたびにチェックされるならば国民益に何の問題も起きない。 万一起きても容易に排除される。
事前チェックでなく、事後チェック、、、これが官僚権限を過剰に強めないための、国民益を守るための原則(事前でも事後でもチェックをしっかりやってさえいれば不正は防げる。しかし、事前チェックではチェックそのものが官僚権限を過剰化させやすいし、経済活動を阻害しやすい)