最近はついぞパチンコをしたことはないが、福島市に住んでいた20代~30代初めのころパチンコに凝っていたことがある。パチンコのテクニックはないともいえないがほとんどが台によって勝つか負けるかが決まる。だからよく出る台の情報を集めて良い台を確保することが最も重要になる。このあたりはいまでも常識であって、朝早くパチンコ屋の前で開店を待っている人の行列を見かけるけれど、みんな良い台を確保するために頑張っている訳である。パチプロと呼ばれる人たちがいるけれど、この人たちも結局はこのマーケティング活動が一番重要らしい。
宮城県沖地震(1978年) のとき私は車を運転していてハンドルが取られるほどの揺れを感じた。女子高校生がキャーと言ってしゃがみ込み、土塀が倒れるのを見た。すぐに家に電話したら運よくすぐにつながり無事を確認した後向かったのはなじみのパチンコ屋だった。パチンコ屋は看板が落ちたりしていたが営業はしていて、地震の直後だったのでかなり空いていたので目当ての台をゲットすることができた。その日はそれなりの収穫を得た記憶がある。
かくしてパチンコでは大体勝てるようになった。そうすると時間あたりいくら稼げるかが問題になってきた。はっきりいって苦労と時間の割には稼ぎは少ないと分かって、それからは急速に興味を失った。勝ったり負けたりしているうちが遊びとしてはいいところで、仕事としてのパチプロはかなり大変なのではないかと思う。
株のトレードはどうだろう。どの株を選ぶかどのタイミングで仕掛けるかなどの調査が必要なことはある程度共通している。てら銭としてのパチンコ屋の利益率と証券会社の手数料とを比較したことはないけれど、パチンコよりは株のトレードの方が相当勝ちやすいように思う。そしてもしプロとしてやるにしてもパチプロよりははるかに仕事になるのではないだろうか。趣味としてのパチンコと趣味としての株のトレードに違いはあるだろうか。同じようなものだと言ったらパチンコをやる人に失礼だろうか、株のトレードをやる人に失礼だろうか。普通のパチンコ好きの人とパチプロの違い、普通の株トレーダーとプロのトレーダーの違いはなんだろう。