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【書評】『さようなら、オレンジ』岩城けい著



記事によると、物語の主人公は、オーストラリアの田舎町で暮らすアフリカ系移民のサリマ。精肉作業場で働きながら2人の息子を育てる彼女は、夫に逃げられ、母語の読み書きも満足にできず精神的につらい状況が続いていた。そんなある日、英語を学ぶ職業訓練学校で、夫に付いて移り住んできた日本人女性「ハリネズミ」と出会う。

 異国暮らしでは言語能力の優劣はそのまま生活能力の有無に直結する。著者はオーストラリア在住の日本人女性。要所に手紙を挿入する文学的な仕掛けと、著者からにじみ出る切実さがうまく融合した第29回太宰治賞受賞作とのことです。



内容紹介

「私は生きるために、この異国にやってきた。ここが今を生きる、自分のすべてなのだ。」

■各所から絶賛の嵐!

「言葉とは何かという問いをたどってゆくと、その先に必ず物語が隠れている」 ―小川洋子 「読んでいて何度も強く心を揺さぶられ、こみあげるものがあった」 ―三浦しをん




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