買い手からしたら、
これ以上魅力的なキャッチフレーズはないですね。
逆に、物を作る側・売る側からしたら、
このキャッチフレーズはかなり腹が立つのです
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良いものを売ってちゃんと利益を出さないと、
新製品の開発や、新規需要の喚起などに充てる費用がなくなっちゃうんですよね。
ダイエーも、その昔は安売りで大変魅力的な店でした。
昔住んでたところに、少し離れたところにダイエー系列の店があったのですが、
わざわざ買い物に行った記憶があります。
今住んでいるところにも、少し離れたところにダイエー系列のスーパー(マルエツ)があるのですが、
まず行くことがありません。
家の近所に地元系の普通のスーパーがあり、マルエツとほぼ同等のサービスが受けられるからです。
日用品を買い物する時の店の優先順位としては…
①地元スーパー
②地元ドラッグストア(食品類も充実)
③少し離れた激安スーパー(業務スーパー)
④Amazon・楽天などのネットショップ
⑤少し離れたショッピングモール(スーパー+ホームセンター+本屋+カー用品+ etc. )
⑥地元コンビニ
⑦少し離れた100円ショップ
⑧駅前の(やや)高級スーパー
⑨駅前や通りがかりのスーパーやコンビニ
⑩かなり離れたアウトレット
ということで、マルエツで買い物をしようと思う前に、まず買い物の用事が済んでしまいます。
確かに、価格など細かい違いはあるのかも知れませんが、
スーパーならどこでも同じという意識はあります。
それなら近所のスーパーで買ったほうが手間もいらないし、ポイントとか溜まるし…
イオンなんては⑤のショッピングモールが有名で、
普通のスーパーにはないワクワク感があります。
(田舎の中高生は、デートでイオンモールに行くぐらいです)
結局、「良いものを安く」というのは、
最初のうちは「ありがたや~」って思うのですが、
周りも追従して価格競争になると
「良いものが安い、けど、それが当たり前」になっていく。
消費者に「当たり前」と思われたら、わざわざ遠くまで買いにいかなくなる…
私がダイエーより優先して行く①から⑩までの店には、それぞれ価値があるのでしょう。
経営者は良いものを安く売ればシェアが拡大できるので、
つい安直にその手を使いたくなるものですが、
「良いものを安く」というので消費者が支持してくれるのは最初のうちだけというのに気をつけなければいけません。
むしろ安売りすればマーケットは縮小するのですから、
開発費や新規需要開拓の費用も減らさざるを得なくなり、難しい戦いになってしまう。
経営者が致命的にアホな場合、
新しい価値を作り出すことより、全力で安売りシェア拡大に向かう。
そのために原価を削減するために仕入先に泣いてもらったり、
現場で働く人にしわ寄せが行く(ブラック企業問題)。
そうなりゃ最後、内部からのイノベーションなど起き得ません。
今、「良いものを安く」ということでシェアを急拡大して、
この世の春を謳歌している企業があります。
安さ以外の価値を売りにすることができる企業なのかどうか、今後の展開が注目されます。